「甘くてコクがあり、美味しい」と評判の「岐阜えだまめ」。川に囲まれた地域の特性を生かして、岐阜市の島地区を中心に60年ほど前から作られてきました。 需要の伸びにともない、現在では年間約1000トンのエダマメを生産しています。
栽培農家の1人で、「JAぎふ えだまめ部会」の会長を務める市川雅己さんにお話を伺いました。
えだまめ部会の部会員数はおよそ230戸、歴史も古く規模も大きい部会の1つ。「下は20代から上は80代までと年齢層は幅広いですが、まとまりがありますね」と市川さん。安全安心を基本として、部会員皆で切磋琢磨しながら美味しいエダマメ栽培に取り組んでいます。
岐阜えだまめの特徴は、ハウス栽培による4月下旬から露地栽培による11月上旬までと出荷時期が長いことです。「常に市場で商品を切らさないように、皆で協力しながら栽培し、出荷をしています」。市川さん自身はご両親のほ場(畑)を継ぎ、エダマメ栽培歴40年ほどになるベテランで、露地栽培だけを行っています。
栽培は、エダマメの収穫が終わる頃の土づくりから始まります。「エダマメには水はけのいい土壌が向いていますね」。この地域の砂壌土と呼ばれる土壌は、砂土より少し粘土質が多く含まれ、栽培に適していると言います。
市川さんのところでは冬場は一部のほ場でほうれん草を育てており、農家それぞれに冬場は別の野菜を育てながら、エダマメのシーズンに備えるのだとか。
3月に入ると播種(はしゅ:タネまき)を行います。「日々、生育状況を見ながら必要な栄養素を見極め、追肥をします。土壌によっても生育状況は異なりますから」。
肥料とともに気をつけているのが害虫で、エダマメの大敵は、サヤにまで入り込むシロイチモジマダラメイガです。害虫対策は、ぎふクリーン農業の取り組みに基づいて、農薬の使用量をおさえ、防虫ネットやフェロモントラップの設置によって行っています。
約半年におよぶ収穫期に合わせて様々な品種のエダマメを植えていきます。「タネによって発芽率が異なるため、同じ時期に2種類の品種をまくことで、収穫がとぎれないようにしています」と市川さん。
品種によって温度や日照条件も異なるそうですが、昼夜の寒暖差が大きく、日照時間が長い方が美味しくなると言います。
エダマメは根元から抜いて収穫する場合もありますが、市川さんは根元をカマで 切って収穫します。「鮮度が命なので、早朝4時半頃から1時間程度で収穫をします。自宅の作業場でサヤをとり、洗ってから予冷庫に入れて予冷し、夕方に集荷場へ出します」。出荷のピークは7月。多いときで1日150kgほど出荷するそうです。
市川さんのほ場では、収穫間近のエダマメが風に揺れていました。
2015年6月17日取材時の情報になります。
ライター:田中マリ子
施設名 | JAぎふ本店 園芸販売課 |
住所 | 岐阜市司町37 |
TEL | 058-265-3549 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
定休日 | |