市民向け農業講座の体験レポート、第6回目です。
大府市の「げんきの郷」の中にある農業研修施設「あぐりカレッジ」で9月7日に開催されました。
この日の講座テーマは「秋から冬の野菜」。
まず、野菜の生育の基本について、先生から説明を受けました。
まずは「作型」について。
作型とは、野菜や果樹を通常とは異なる時期に栽培しようとするときの栽培方法や技術のことをいいます。
本来、野菜にはそれぞれに合う種まきや収穫の時期があるのですが、
早く収穫したい、長く収穫したいといった目的からトンネルやハウスを利用して育てることが、
農業の現場では多く行われています。
家庭菜園の場合は、それぞれの野菜に適した種まきや植え付けの時期を守ることが
失敗しないコツとのこと。
また種子が発芽するには、「温度」「水分」「酸素」の3つが大事な条件。
野菜の場合の発芽適温は20〜30度だそう。
蒔いた種が発芽した後、ある程度育ったら苗として畑に植えます。
これを「定植」といいます。
定植の準備として、畑の土に堆肥を混ぜ込んでおくとよいそう。
その理由を先生が説明してくれました。
「堆肥とは、家畜の糞や藁を発酵させたものです。
土の中にはいろんな微生物がおり、堆肥などの有機物を入れると分解してくれます。
その分解物が土の団粒化に役立ち、土壌の通気性と排水性、保水性を向上させます。
また土壌病原菌の抑制にもなります」。
そういえば土の団粒構造については、以前の講座で習いました!
堆肥を入れることで、野菜がよく育つフカフカの土になるんですね。
野菜が育つためには肥料も必要です。最初に土に混ぜ込む堆肥などの元肥(もとごえ)と、
定植後に野菜の生育に応じて追加する追肥(ついひ)の2段階で与えます。
「追肥は植物の体を大きくするためのものです。
追肥を与えたら手かきのカマなどで苗の周りの土を掻いて混ぜる“土寄せ”をすることが大切。
これは次回の実習でやりましょう」と先生。
雑草対策についても教えてもらいました。
「稲作ではアイガモ農法というものがあります。水田にアイガモを放すのですが、
カモが動くことで水が濁り、雑草が生えなくなる効果を期待したものです。
野菜を作る畑では、薬剤を散布するのが一般的です。
除草剤にはいろんな種類や使用上の注意点があるので、
販売店や農協で説明を聞き、目的や時期に合わせて使用してください」。
最後に、キャベツ、サニーレタス、ブロッコリーの苗が参加者全員に配布されました。
「キャベツやブロッコリーは株間30センチ程度で植えてください。
サニーレタスは葉が広がってしまうので、株間10〜15センチ程度でみっしりと植えましょう」
と先生からアドバイス。参加者たちはそれぞれ、
「上手く育てられるかな」「収穫できるようがんばります!」
と言いながら、苗を大切に持ち帰りました。
鈴木先生に、野菜作りに取り組む人へのメッセージを伺いました。
「家庭菜園は細かいことを気にせず、楽しみながら取り組んでください。
失敗してもまたチャレンジすればいいんです!
野菜を育てることで、毎日が楽しくなりますよ」。
配布された苗が、小さくてかわいらしいことにびっくり。普段食べている野菜は、種から芽が出て苗に育ち、畑で大きくなって実るまでの時間の結晶だということにも改めて気付きました。育てている野菜たちの収穫、とっても楽しみです!
(梅田美穂)
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