「道の駅 おおだい」で遅い昼食の後、大きな製材所にご案内頂きました。
ここは武田製材、代表取締役の武田誠さんからお話を伺うことに。
交換した武田さんの名刺は、裏に「木の雑貨店」と書かれています。
扱う材の多くが、宮川流域産スギ・ヒノキである武田製材。
事務所にあるサンプル材を手にしていると、
武田さんが高さ40cmくらいのスピーカのような箱?を持ち出してきました。
「カホン(Cajon)です。うちでヒノキの外枠を作っています」と。
カホンとは、南米アンデス地方発の楽器で、上に座って演奏する打楽器。
日本では、ごく一部のミュージシャンに知られているだけと言われ、知名度はまだまだです。
武田さんのカホン作りは、松阪にあるミュージシャンのお店「ラモシオン」から
この楽器を教えてもらったことが、きっかけだそうです。
今では当たり前のように製材所内部の各設備で電気が用いられていますが、
昭和の初めごろまでは、水車の回転が動力源でした。古い写真も残っています。
なるほど、建物の奥で回る水車から、水が勢いよく落ちています。
当時の武田製材は、水力で丸鋸を回し製材していました。
エネルギーは遠い所から運ばれてくるものではなく、環境への負荷が少ない地産地消だったのですね。
外に出ると、文字通り山積みのスギ・ヒノキ丸太に混じって、広葉樹のケヤキやニッキもあります。
ニッキについて「根っこを煎じると糖尿病に良いそうですよ。
冷え性にも、体を温めてくれます」と武田さんでした。
取材中の武田さんは、ご自身についてだけでなく、色々な話題を語ってくれました。住宅建築でパネル工法が増えたことによる加工材市場の変化、平成16年の豪雨災害、紀勢自動車道の開通と高速道路料金無料化に伴う地域経済への影響など・・・ 珍しいアンデスの楽器カホンは、武田さんも習いに行っているそうです。製作者が演奏者になる日も来るのでしょうか。 (小穴久仁・倉田和己)
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2010年9月21日現在の情報になります。