木曽地域の木材・木工産業は、まな板や風呂桶、漆器など生活用品向けが多い中、
木曽ヒノキを使った楽器作りにも取り組む、ユニークな木工所があります。
訪ねた先は、小瀬木木工所代表取締役の小瀬木礼子さん、ご自身も三味線を演奏されるとのことですが・・・
出迎えてくれた小瀬木さんと共に目に入ったのは、小山のように積まれたところてん突き。
大きさは色々で、長さ10cmくらいのミニところてん突きもあります。
「食事処で、お客さんが自分で突いて食べる」のだそうです。
奥の加工場へお邪魔すると、すぐ木の良い香りに包まれます。
お邪魔した時は3名の方が作業しており、銭湯用の風呂椅子やすりこぎ棒へと、
木材を加工していました。
「木っていうのはやはり、暖かみと温もりがあるんです」と話す小瀬木さん。
しかし最近は、大きな材木が手に入り難いのだとか。
加工場を見学した後、ヒノキの楽器について伺いました。
作っている楽器は、ヒノキ三味線とアルプホルン、コカリナ(木のオカリナ)の3種類。
このうちヒノキ三味線は、名古屋のオアシス21や木曽三川公園、幕張メッセ、
代々木公園野外ステージなどで演奏してきました。
また、木曽の山々に似合うアルプホルンは、御岳山の開山式に毎年呼ばれています。
一方、長野オリンピック(1998年)の開会式で演奏披露されたコカリナに、
小瀬木さん達は注目し、作り方を習得して木曽ヒノキで作るようになりました。
今では毎年、大桑小学校の3年生の子達がコカリナを作っていて、その子達はみんな吹けるそうです。
そのことを知って直接、小瀬木木工所を訪ねる人もいらっしゃるのだとか。
楽器作りを始めたきっかけは、ヒノキの端材などの有効活用を目指したこと。役場も平成9年度から、「木曽ヒノキを奏でる里づくり事業」として演奏活動、ヒノキ三味線・アルプホルン・コカリナの楽器作り講習会をバックアップしています。 取材の途中、小瀬木さんに三味線演奏を披露して頂いたものの、調律がうまくいかず本物の音は残念ながら聴けませんでした。どんな美しい音色を奏でるのでしょうか?この次は是非、演奏会で聴きたいものです。 (小穴久仁・倉田和己)
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住所 | 大桑村野尻1725 |
TEL/FAX | TEL:0264-55-2008 FAX:0264-55-2420 |
2010年4月14日現在の情報になります。