野菜の生産が盛んな街として知られる豊橋市。
農業産出額が全国第6位という日本でも有数の農業地帯となっています。
今回はそんな豊橋市でスイートコーンを育てる兵藤吉之さんの畑に伺い、
スイートコーンの魅力や地産地消に対する考え方について、いろいろとお話して頂きました。
日差しがさんさんと降り注ぐスイートコーン畑。
風に吹かれて、さらさらと心地よい音が耳を撫でていきます。
畑に到着すると、生き生きとしたスイートコーンが目に飛び込んできました。
「スイートコーンは、収穫したあとの劣化が早いんです。
1日の内で流通できる経路を持った国でないと、スイートコーンは食べられない。
収穫したものをすぐに売りきらないといけないからです。」
昔は子供のおやつとしてよく食べられていたそうですが、今は働きにでるお母さんが増えたため、
子供が食べる機会が減ってしまっているそう。
そう語る兵藤さんからは「もっとスイートコーンの美味しさを知ってもらいたい!!」
そんな熱い思いが伝わってきます。
「今年は天候の異変などが原因で、粒が不揃いになっています。
また、未だ少し収穫には早いようで、先端の粒が白いです。もう少し色がついた頃がベストです。」
そういって見せて頂いたスイートコーンを見ると、綺麗に揃っている粒が、
途中から不ぞろいな並び方に。さらに先端には、白い粒がいくつか見ることができました。
「大量に生産するとなかなかすべての塾期をベストの状態では出荷できません。
どれを食べてもおいしい状態にするのが課題です。」
畑で収穫した採れたてのスイートコーンを頂くことができました。
生のトウモロコシを食べるのは今回が初めて。
そのシャキシャキ感と、これまでに感じたことのない水々しさに感動!
なかなか味わうことができない、貴重な体験をさせて頂くことができました。
家庭では一般的にトウモロコシを茹でて食べている方が多いのではないでしょうか?
全ての皮を向いて茹でてしまうと、トウモロコシの甘みが溶け出してしまい、
本来の美味しさが損なわれてしまうのだそうです。
「茹でる際には、皮を一枚残して熱湯から4~5分程茹でてください。中の糖分が溶け出すのを防いでくれますよ。
また、皮をむいて洗い、塩をまぶしラップに包み、電子レンジで4~5分(500w)。
子どもでもおやつなどに自分で簡単に調理することができるのでおすすめです!」
保存の際の注意点としては、以下のことに注意して欲しいとのこと。
・すぐ冷蔵庫に入れる
・立てていれる
・余分な葉っぱは取る
・甘さをキープするには、買ってきたらすぐ茹でて、冷蔵庫に入れる
・もっと長く利用したいなら、茹でたものを削ぎ取って冷凍庫に。半年以上は持つ。
兵藤さんには、今後叶えたい夢があるのだそう。
「まずは、自身でも育てているブロッコリーの国内自給率を80%までに引き上げること。
そしてもう一つは、豊橋の学校給食の食材自給率を80%までにすることが夢ですね。
給食で使う野菜を子どもたちが自ら「学校農園」で作り、自分で育てた野菜やお米を、学校給食で使う。
そうやって野菜作りを体験し自分たちで味わうことが、食育にも繋がるのではないでしょうか?」
さらに兵藤さんは、地産地消についての考え方も語ってくださいました。
「地産地消は家庭から。家庭菜園でまずは自分で野菜を作ってみてください。
そうすれば、野菜本来のおいしさを感じることができるはずです。」
心を込めて野菜を育てることで、野菜に対する愛情もより深まるはず。
きっとその味は、いままで感じたことがない程、格別なものになるに違いありません。
今回、初めて食べた生のトウモロコシ。太陽の下、畑の中で食べるトウモロコシは、甘く、そしてなんと言っても水々しさが、今までに食べたトウモロコシの中では一番といってもいいほど! 兵藤さんに教えていただいた家庭でトウモロコシを美味しく味わう方法を参考に、この夏はトウモロコシをたくさん味わってみたいですね。今回の取材の様子は、「DoChubu編集員ブログ/愛知の夏野菜を訪ねて」でも紹介していますので、是非ごらんください。 (神戸夕香)
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2010年6月16日現在の情報になります。