地産地消に力を入れる三重県内の寿司店のネットワーク「三重すし街道」と、県立相可高校調理クラブの生徒たちが連携し、寿司を提供する「すし祭りinまごの店」。
毎年大人気のイベントの模様をレポートします。
今年で5回目となる「すし祭り」は4月2日、同県多気町の「五桂池ふるさと村」で開催されました。
三重の食材をアピールし、料理を学ぶ生徒たちに寿司の魅力を継承しようという思いから、毎年開催されている食のイベントです。
今回は、主催の三重すし街道から13店舗20名の寿司職人、相可高校調理クラブから40名の生徒が参加しました。
咲きほこる桜が目にまぶしい、穏やかな午後をむかえた五桂池ふるさと村。
イベントの始まる30分前に、会場となる「まごの店」を訪れると、職人も生徒も準備で大忙し。
さまざまな魚介を使った色あざやかな寿司が、熟練の技によってどんどんにぎられていくと、会場内には華やかな雰囲気が広がります。
「最高のすし祭りにしましょう!」。
イベントの開始まであとわずか。心地よい緊張感がはりつめるなか、三重すし街道の代表・松田春喜さんが声をはりあげます。
多くの人びとが待ちかまえる、たくさんの期待をのせた「祭り」が今年もはじまりました。
この日のために集められたのは、三重の新たな特産として注目を集める「伊勢まぐろ」をはじめ、サワラやアナゴ、ヒラメやサンマ、アワビ、ハマグリ、松阪牛など。県内の各地から、新鮮な旬の食材が豊富にそろいました。
また、この春から出荷が始まった鳥羽市の「畔蛸(あだこ)の岩がき」や、生徒が調理した厚焼きたまご、アオサの味噌汁なども提供されました。
会場内は若者からお年寄りまでたくさんの人で満席となり、にぎわいではちきれんばかり。調理クラブの生徒たちがてきぱきと接客し、配膳します。
あちこちのテーブルからは「おいしいね」という声が聞こえ、誰もが笑顔で満足そうに寿司を楽しむ姿が見られました。
隣の玉城町から、今回初めてこのイベントに参加したという女性は、「また来年来たい。お腹がいっぱいです」と、うれしそうに話していました。
職人や生徒との交流もすすみ、会場にはたくさんの笑い声が生まれていました。
職人や生徒、お客さんが生みだす熱気のなか、計4回の食事会は無事終了。
「ありがとうございました!」。会場を後にするお客さんたちを見送る、生徒たちの元気でまっすぐな声が響きます。今年も大盛況のなか、楽しい寿司の祭りが幕を下ろしました。
【参考URL】
三重すし街道
高校生レストラン「まごの店」
2014年4月2日取材時の情報になります。
ライター:新美貴資