岐阜県土岐市駄知町にある「南窯」は、織部・志野・粉引・赤絵・安南風呉須絵など、
美濃焼の一大生産地である土地にて、温かみのある手づくりの器を制作する工房です。
今回お話を伺ったのは、「南窯」の2代目を務める工藤工さん。
2005年に美濃焼伝統工芸士に認定され、志野、織部、赤絵などを中心に食器の制作を手がけています。
窓から降り注ぐあたたかい陽の光に照らされた「南窯」の工房には、
工藤さんの手によって生み出されたたくさんの器が並んでおり、
製品として生まれ変わるのを今か今か、と待っているかのよう。
「父親が南窯を始めまして、創業約50年になります。
創業当初は機械ろくろを使った量産も行っていましたが、
現在は手でろくろをひき、一つ一つ丁寧な製品作りをしています。」と笑顔で語る工藤さん。
そんな工藤さんに、美濃焼の伝統工芸士として面白いところは?と尋ねると・・
「”自分の好きな物を形にできる”というところに尽きますね。
『南窯』の製品は、陶芸家が作る芸術的な作品ではなく、メーカーとしての製品。
日々の生活で使うための製品作りが主体になっている分、
自由に作るというスタンスに身を置くことができるんです。
そんな中で、”いい物を作りたい”という想いと、”囚われなくて良い”という想いが葛藤することもありますが、
常に、作った物を自分の製品にしていくという心を忘れないようにしています。」
実際にろくろをひき、製品を作る様子を見せて頂きました。
原料の土は、まとまりがよい信楽の土に、地元産の土を織り交ぜて使用しているとのこと。
筒状になった土の塊をろくろの上に置き、工藤さんが手を添えると、
みるみるうちに器の形に変化していきました。
形が一定の大きさになると、工藤さんは十字になった棒状の木を木箱から取り出します。
どうやら、ものさしの役割をする道具のようです。器の上にそっとあて、大きさを確認。
さらに形を整え、最後の仕上げとして手で器の端を曲げ、完成です。
職人の技を間近で感じる、非常に貴重な体験をすることができました。
工藤さんが考える、伝統工芸士としてのこだわり・そして信念とはどんなものなのでしょうか。
「美濃焼の一種である”織部”は、
緑色の釉薬(ゆうやく)をかけた焼き物であるという事が一般的には有名ですが、
丸い器をアシンメトリーに崩していくという技法を日本で初めて行った焼物でもあるんです。
それは人を驚かせよう、楽しませようという気持ちだと思っていて、そのスピリットを意識しています。
美濃焼の伝統工芸士として、『新しい物で人を楽しませよう』という”織部”の心を受け継いでいるつもりです。」
工藤さんの手から生み出された器が並ぶ食卓は、きっと人々の明るい笑顔に満たされているに違いない。
熱心に語る工藤さん笑顔がそれを物語っていました。
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日常使いができるシンプルな器を数多く製造する南窯。種類も豊富なので、自分にぴったりの器を見つけることができるはずです。インターネットからの購入、また名古屋市中区上前津にある「THESHOP十二カ月」さんでも取扱いされているとのこと。是非覗いてみてください。
(神戸夕香)
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会社名 | 南窯 |
住所 | 〒509-5401 岐阜県土岐市駄知町2321-196 |
TEL/FAX |
TEL:0572-59-2430 FAX:0572-59-3899 |
URL |
織部、赤絵 美濃焼伝統工芸士のサイト 南窯へようこそ 【楽天市場】南窯:SARA-CERA(ウェブショップ) |
2011年2月18日現在の情報になります。