最近は米粉への関心が高まっており、パンをはじめ、
小麦粉で作られていたものを米粉へ置き換えた商品も見られるようになりました。
大桑村でも、米粉商品の開発に力を入れている方々がいらっしゃると聞き、
道の駅大桑にある施設米っ子大桑工房を訪ね、
工房長の下起享古(したおこしきょうこ)さんにお話をお聞きしました。
店内に入って左手、並んでいるかわいらしい雑貨は、地元の若いお母さんたちの手作り品だそう。
石の好きなお母さんは石のアクセサリ、パッチワークが得意なお母さんはカバンと言った具合。
この明るいスペースは、販売ルートのない
手作り雑貨がスポットライトを浴びる、小さなステージなんですね。
お孫さんもいる下起さんは、若い世代・次の世代のことがとても気懸かり。
「核家族が増えて、郷土食などを作ることがなくなっています。そこをなんとか、
若い人たちへ伝えていきたい。一番の目標は、最終的に若い人たちがここを経営すること」と話されます。
このためにもベテラン勢は、子育て世代のお母さんが空いた時間に
安心して働けるよう、環境作りに努めています。
米っ子大桑の施設は、平成19年に建てられた時は別の店舗が入っていたのですが、
経営が上手くいかず撤退し、この1〜2年は空き店舗となっていました。
そして、空いた施設の再活用に立ち上がったのが下起さん達で、新しいことを始めたいと、
村内で昔からからすみ作りなどに使われてきた米粉に注目したのでした。
「最初の7人はボランティアだよ、お給料は貰えないかしれんよと、
それを承知でやろうと言ってくれました」と下起さん。
現在は、立ち上げ時の7人に若手1人を加えた村民8人体制でお店を切り盛りしています。
お店の看板商品シフォンケーキは米粉100%!試行錯誤を重ねた結果、ベーキングパウダーすら使っていません。
他にも様々な米粉100%の商品作りにチャレンジしていますが、
限られた人手と時間で思うように手が回らず、レギュラー商品化は簡単なことではないようです。
下起さんは出来たてのものを販売したいと考え、
その日に作った商品をその日に売り切るスタイルを心掛けています。
「おしゃれなものは出来ません、家庭料理ですが、
それを良いと言ってくれるお客さんに来て欲しいですね」とお話を結ばれました。
陳列商品から頂いたシフォンケーキは、小麦粉で作られたものと遜色のないしっとり感があり、やわらかな甘さが口に広がります。取材が終わるころには、同じく米粉が主材料のからすみが蒸し上がり、シフォンケーキも焼き上がりました。米っ子大桑のオープンは2010年3月14日、村内でもまだあまり知られていないという若いこのお店は、今まさに米粉商品の発信に狼煙を上げたところです。
(小穴久仁・倉田和己)
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住所 | 大桑村野尻36-3 |
TEL/FAX | TEL:0264-55-3633 FAX:0264-55-3633 |
営業時間 | 10:00〜16:00 |
定休日 | 第1・3火曜日 |
2010年4月14日現在の情報になります。