お茶は飲むもの・・・という概念を覆し、
粒タイプの“食べる”お茶「茶まるくん」を開発した小阪製茶場をご紹介します。
“お茶は体によい”というイメージ。誰しもなんとなく抱いているものではないでしょうか?
このイメージをきちんと科学的に研究・証明し、錠剤タイプの“食べる”お茶を開発したのが、
小阪製茶場の小阪康弘社長です。
「長年飲み続けられてきたお茶ですが、今まで体にいいと言っても実際に裏づけがなかったんです。
それをはっきりとさせるために鈴鹿医療科学大学にお茶の効能についての研究を依頼しました。」
こうして行われた大学での研究で、お茶の成分や薬効が正確に判明。
“お茶は体によい”ということが科学的に証明されたのです。
また、お茶の産地として名のあがる三重、静岡、鹿児島のそれぞれの成分にも違いがあることも判明しました。
「この研究結果を知り、どう活用し、何をするか?という点が重要でした。」
せっかくわかったお茶の効能、必ず多くの人に活用してもらいたい―という思いを抱いたものの、
実際、お茶の成分中、水溶性成分は3割程度。お湯を冷ますとさらに割合はへり、
お茶の成分を完全に摂取することは難しいそうです。
そこで小阪社長は、嗜好品として楽しむお茶だけではなく、
効能を重視し、成分を残らず摂取できる商品をつくろうと決意。
鈴鹿医療科学大学の協力を受けながら錠剤タイプの商品開発に乗り出します。
茶葉を乾燥させ粉末状にして茶葉だけで固める、という特許も取得した製造方法を生み出し、
錠剤タイプの「みろく」を完成しますが、
「持ち歩きに便利なように、水なしでも飲める小粒タイプにしたらどうか」と県からアドバイスが。
こうして、茶葉100%でできた2ミリくらいの粒タイプの「茶まるくん」が完成。
続いて、自然の甘味料であるステビアを追加し、
渋みをまろやかにした「ちび茶ん」も開発されました。
これらは、効率よく茶葉の成分を摂取することを実現。
多忙で食事が不規則な人や健康維持を心がけている人にぴったりです。
無農薬で自然栽培された茶葉を使用しているので、安心して取り入れられます。
ペットボトルのお茶が流通し、急須でお茶を飲むという習慣が薄れてきた昨今。
どこの茶葉なのかを知らずにいる人々、そしてお茶の需要減で困る農家の人々が増えていく現状に、
小阪康弘社長は不安を抱いているといいます。
「製茶業を営む家業に入ってから、今まで茶一筋。自分の生活には常にお茶があり、
お茶の中で育ってきたようなもの。
今日までお茶を作ってきた人たちに恩返しができないかと考えてきました。
うちの商品が茶業の発展につながればと思っています。」
お茶のよさを知ってもらい、急須でお茶を飲む習慣が若い人たちにも根付くように・・・
「茶まるくん」と「ちび茶ん」にはそんな想いが込められています。
現在も新しい製品を構想中だという小阪社長。「やってみなきゃわからない。失敗がいい方に転ぶことだってある。」と、今後も新しい商品開発への意欲を語ってくれました。この元気の源も、もしかしてお茶のおかげなのでしょうか?新しいお茶の形をさがしながら、茶業を盛り上げていって欲しいものです。「茶まるくん」、「ちび茶ん」など小阪製茶場の商品は、同社ホームページから購入できますよ。
(大島清花)
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