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桜の香りに心やすらぐ 桜の花漬「大和屋」
2010.07.08 更新

木曽須原名物・桜の花漬(一箱800円)

中山道木曽路十一宿の一つ、須原宿のあったJR中央線須原駅を出て右に目を向けると、
小さなタバコ屋さんの店先には”須原名物 桜の花漬 大和屋”の看板が。
慶事の席でも出される桜の花漬を扱う大和屋の7代目、北川ふみ子さんを訪ねました。

原材料はたった二つ

(左)桜の花漬をお湯に浮かべると、ほのかな良い香りが漂います
(右)大和屋の7代目、北川ふみ子さん

「どうぞ飲んでみて下さい」と、桜の花漬を浮かべたお湯が出されました。
桜のとても良い香りがします。飲んでみると、桜の香りに薄い塩味が混ざり合い、
ほっと落ち着いた心持ちになります。
出された湯飲みをよく見比べると、桜の花の色は2種類あるようですが・・・
「白に近いピンクと濃いピンクがあって、白いのが花びらの少ない八重桜、
ピンクは花びらの多い八重桜です。着色料、防腐剤は使っていません、自然の色です」。
商品の箱を裏返すと、原材料は桜と塩のみ!
かつて、桜の花漬を商う店は5〜6件あったそうですが、今ではここ大和屋だけとなりました。
桜の花漬の起源を伺うと、昭和25年にこの店は火事に遭い、
過去の資料・記録が失われ、よく分からないとのこと。

ワンチャンスを逃さず

大和屋外観と北川さん

重労働である花摘みは、兄弟親戚の男手にお願いしており、昨年は4月18日に行いました。
散ってしまった花は漬けられないため、花摘みは「年に一度きりのチャンス」と北川さん。
雨の多い今年は花摘みのタイミングを計ることが難しく、心配だそうです。
ちなみに昨年は、足場を組んでおいた桜の木で明日採るぞと準備をしていた矢先、
サルに花を盗られる被害を受けました。しかたなくはしごを掛けて、
細い枝の先に残った花を摘んだものの作業効率が悪く・・・今年も苦労しそうだとか。
摘んだ桜の花は塩に漬け、温度が一定な半地下で貯蔵します。
花の量が確保できず困った年もあるそうですが、前年から残った分は処分し、
毎年新しく「その年のもの」を漬けると北川さんは話されます。

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桜の花漬だけでは生計を立てられないと語り、後継者のことを心配する北川さん。同時に桜の若木を植えて、花漬が後世へ伝えられる環境作りをされているそうです。北川さんの、桜も人も大切にする優しさがうかがえました。さて、桜の花漬はお湯や焼酎に入れて飲む人が多いですが、他に北川さんは、炊き上がったご飯に刻んで混ぜ込んだり、ゼリーに入れてみたそうです。DoChubu事務局では、名古屋調理師専門学校の向山先生による「桜の花漬レシピ」を公開しておりますので、是非ご覧下さい。(地産地消レシピ「「桜の花漬け」
後日お電話で伺ったところ、今年は4月22日に花摘みをしましたが、サルの被害はなかったものの、雨の降る中での作業だったとのことでした。

(小穴久仁・倉田和己)

店舗情報

住所 大桑村須原565
TEL/FAX TEL:0264-55-2918
FAX:0264-55-2918
営業時間 7:00〜19:00
定休日 不定休

2010年4月14日現在の情報になります。

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