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伊吹山の気候風土が育んだ
多種多様な薬草
2015.04.18 更新

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岐阜県と滋賀県の県境にある伊吹山は、薬草(薬用植物)の宝庫として知られており、山麓に住む人々は古くから薬草を暮らしの中に取り入れてきました。
岐阜薬科大学の薬草園研究室では、伊吹山の薬草をはじめ様々な薬草の栽培や研究をしています。
この地域ならではの気候風土や歴史など、伊吹山の薬草にまつわるお話を薬草園研究室教授の酒井英二先生に伺いました。

使い方次第で薬にも毒にもなる薬草

日本や中国では、薬草を生薬として活用してきました。シソ、ショウガ、サンショウなど、日本の食卓で馴染みのあるものも、漢方薬に配合される生薬の1つです。
薬用成分のある部分を煎じて飲む○○湯や、粉にしてハチミツなどを加えて丸めた○○丸、粉状にした○○散と呼ばれるものなどが薬局でも売られています。
「薬草は人間にとって良い効果をもたらすものですが、使い方や量によっては薬ではなく食材であったり、毒になったりもします」と酒井先生。

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顕微鏡を使った生薬の鑑定が専門の酒井英二先生。薬草園で薬草の栽培も行っています

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毒のある植物として知られているトリカブトの一種、中国原産のハナトリカブト(薬草園)。根や葉などに毒性の強いメサコニチンが含まれていますが、減毒して生薬として利用されています

植物の種類が多いから薬草も豊富

伊吹山は標高1,377メートル、石灰岩からなる山です。大昔は海底火山で、堆積したサンゴにより地層が形成されたと考えられています。
「通常は標高約2,000メートルで森林がなくなると言われていますが、伊吹山は石灰岩の地質と強い季節風や雪が多いことから森林が形成されず、山頂付近も草原になっていて様々な植物が自生しています。日本列島のほぼまん中に位置し、気象的には南北の植物の限界域にあたることから、植物の種類が多いのが特徴です」。
一般的に植物の1割ほどは薬草だと言われています。伊吹山に自生する植物は1,300種類近くあるので、1割にあたる130種類ほどが薬草ということになりますが、酒井先生によれば「実際には280種類余の薬草があります。伊吹山が薬草の宝庫と言われるゆえんですね」。
歴史的にも平安時代に宮中へ献上された薬草の種類が、美濃国では63種類、近江国では73種類と、他地域に比べて多いという記録が『諸国進年料雑薬』に残っており、伊吹山と深い関わりがあると考えられています。
滋賀県側ではヨモギが多いのに対して、岐阜県側には「トウキ」が多く自生しているなど、同じ伊吹山でも場所によって異なります。

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鎮静作用や利尿作用、血行を促進する作用などがあるトウキ(薬草園)。根と葉が生薬として使われています。伊吹山麓に暮らす人々は、体が温まると言い、昔から乾燥させて風呂に入れたり、刻んで湯に入れて飲んでいるそうです

薬草にはイブキトリカブトやイブキジャコウソウなど、和名にイブキ(伊吹)と付いた植物が多々あります。
徳川時代に将軍の命を受けて薬草採取が行われたり、植物学者や研究者が多く訪れたことから、伊吹山で最初に見つかった可能性が高いとも言われています。また、ルリトラノオやコイブキアザミなど伊吹山だけに自生する固有の植物も多いそうです。

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伊吹山に多く自生するイブキジャコウソウ(伊吹山)


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麝香(じゃこう)のような香りがすることから名付けられたイブキジャコウソウ。発汗作用がある薬草です

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葉が九層になっていることから名前が付いたクガイソウ(伊吹山)。根を生薬(草本威霊仙)として利尿剤などに使います

薬草について伝える取り組み

30年位前から、生薬学の先生が伊吹山で調査をしており、大学と伊吹山は深いつながりがあります。
かつて、薬草を使った地域おこしにも協力しました。平成2年から20回続いた「伊吹山薬草サミット」の開催です。岐阜薬科大学名誉教授の水野瑞夫先生や旧春日村の村長が中心になって、大垣市の協力を得て近隣の市町村が参加して行われました。酒井先生も第2回サミットから携わり、その後も時々手伝っていたそうです。
岐阜県に薬草関連施設や関連商品が多く生まれた背景には、サミットが一役かっていたと言えます。
また、岐阜薬科大学の教育研究施設である薬草園では、期間限定で一般公開をしており、ガイドボランティアによる説明が行われるなど、薬草に親しんでもらう機会を設けています。

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700種類位の薬草を育てている薬草園。公開期間中の水・金・日曜日にはボランティアによる説明があります

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春から初夏にかけて可憐な花を咲かせるヒメツルニチニチソウ(薬草園)は、ヨーロッパ原産の薬草(作用が強いので、一般には毒草として扱われます)

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アミガサユリは花びらの中が網目状になっていることからこの名前が付いた薬草

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アミガサユリは薬草園では3月下旬〜4月初旬に見られます

2015年3月30日取材時の情報になります。
ライター:田中マリ子

お問い合わせ
施設名 岐阜薬科大学 薬草園
住所 岐阜市椿洞字東辻ヶ内935
TEL 058-237-3931(岐阜薬科大学 三田洞キャンパス)
営業時間 公開日時:4〜10月(8月を除く)の月・水・金・日曜日 10:00〜16:00(要予約)
定休日 公開期間中の祝日と振替休日は休園
URL http://www.gifu-pu.ac.jp/yakusou/
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