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料理教室を通して、みえジビエの普及を図る
2015.02.23 更新

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みえジビエについて理解を深め、地元の人達にもっとみえジビエを家庭で活用してもらいたいと三重県農林水産部獣害対策課が年2回開催する料理教室。穏やかな冬晴れとなった2015年1月13日、伊勢市の生涯学習センター「いせトピア」で猪肉を使った料理教室が賑やかに行われました。

猪肉を使ったイタリアンを実演

今回の料理教室の参加者は20人。講師は伊勢市桜木町にあるイタリアン「リストランテ ラミア・ヴィータ」のシェフ、丸山とし朗さんです。まずは最初に、県の獣害対策課捕獲管理班・班長の山口和昭さんから県内の獣害や捕獲、食肉としての利活用について説明があり、今回の料理教室もその一環である旨の話がありました。参加者はみな真剣な顔で聞き入りました。
次に、丸山さんによる調理の実演を見学し、レシピを学習。今回のメニューは前菜の「猪肉を使ったタリアータ」、パスタの「猪もも肉のラグー・パッパルデッレ」、メインの「猪肉のサルシッチャ(ソーセージ)」の3つです。ジビエを使った本格的なイタリアンとあって参加者も興味津々。「イタリアでは、ドレッシングは野菜に直接塩やコショウ、オリーブオイルを入れて混ぜ合わせながら味を調えていきます」「チーズは削りたてを使えば味も香りもさらによくなります」など、丸山さんが教えるプロの技をメモに取る人も。中でも圧力鍋で煮込んだトロトロの猪肉にはあちこちから「すごい!」と感嘆の声が上がり、「煮込んでストックしておけば、メイン料理にもパスタソースにも使えます」という丸山さんの言葉にうなずく姿も見られました。

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丸山さんの調理実演を真剣に見ながら学ぶ参加者の皆さん

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県内の獣害状況と、今回の主旨を話す山口さん

それぞれの思いを胸に、今回の料理教室へ

実演のあとは、各グループにわかれてさっそく調理をスタート。「これは全部混ぜていいの?」「すみません、野菜を切ってもらえますか?」など、それぞれにコミュニケーションを取りながら賑やかに調理は進みます。
「ジビエが好きで店でよく食べます」と話すのは四日市市から参加した女性。「ちゃんとした施設で扱われるみえジビエなら安心です。もっと手軽に手に入るようになってほしい」といいます。また松阪市から参加した女性は「地元の知り合いが自分で獲った猪肉を下さるのですが、味噌で煮込んでも焼いても固くて、ちょっと臭いも気になって。どうやったらおいしく食べられるのかを知りたくて参加しました」と話し、「ソーセージに猪肉が使えるとは思わなかった」とみえジビエの処理の仕方による臭みのない猪肉と知人からもらう猪肉の違いや様々な料理法で猪肉をおいしく食べられる新たな発見に喜んでいました。
約1時間の調理の後は、お待ちかねの試食タイム。「おいしい!」とあちこちから声が聞かれ「猪肉がこんなに柔らかくなるとは思わなかった」「これなら家でもできそう」とお互いに感想を話しながら、和やかな食事の時間を過ごしました。

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今回使った食材。ジビエは猪肉を使用


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それぞれに役割分担をし、一生懸命料理をしていきます


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サルシッチャの腸詰め作業はひと苦労


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「これなら家でもできるわね」と楽しく話しながら試食

安心のみえジビエを使い、おいしい料理を提供

今回講師を務めた丸山さんの店では、以前からジビエ料理を提供しています。「今回、県からみえジビエ登録業者の解体施設『スピリッツ』さんを紹介され、何度も足を運んで話を伺い、その鮮度と安全性を確信して使うことに決めました。県がきっちりとした「みえジビエ品質・衛生管理マニュアル」を作ってくれたので、安心して使えます」。
イタリアンには多彩なジビエ料理がありますが、日本であまり定着しない理由として「日本人は臭いに敏感なので、ジビエの臭いが気になるのでしょう」と丸山さんはいいます。「みえジビエなら、血抜きもしっかりとされて素早く解体処理されきちんと保管されるので、臭みもなく固さもありません。抵抗なく食べられると思います」。
お客様においしいといってもらえるようなジビエ料理を提供するために「時には生産者の方にも厳しいことをいったりもします」と丸山さん。「お互いに切磋琢磨することで、さらにおいしいみえジビエ料理が提供できると確信しています」。今後もさまざまなジビエ料理を提供していきたいと話します。

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今回講師を務めた丸山さん

2015年1月7日取材時の情報になります
ライター:小山芳恵

お問い合わせ
施設名 三重県農林水産部獣害対策課
住所 三重県津市広明町13
TEL 059-224-2391
営業時間
定休日
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