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三重の新しい食文化「みえジビエ」確立をめざす
2015.02.17 更新

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みえジビエ登録事業者のひとつで、鹿や猪の捕獲から解体、出荷を行う「いがまち山里の幸利活用組合『かじか』」。2002年12月に立ち上げて以来、組合長の中森秀治さんを中心に伊賀周辺で捕獲を行っています。「この仕事にやりがいを感じている」と話す中森さんに話を伺いました。

獣害被害拡大を機にみえジビエ登録事業者へ

植林や間伐など山林管理に関する事業を行う会社「芭蕉農林」を経営する中森さん。以前から鹿の捕獲も行い、鹿肉を利用したドッグフードを手がけてもいます。そんな中森さんが「かじか」を立ち上げるきっかけとなったのは「とにかく農家の獣害がひどく、何とかしようとみんなが声を上げたから」だと話します。「私自身も、植林した次の日に鹿に苗が食われているということがたびたびあり、網やネットをして、苗木を保護していました。しかしどんどん頭数が増え、被害は拡大。これはなんとかしなくてはならないと思ったのです」。
折しもその頃は、野生の鹿や猪の捕獲が増え、防護柵の設置などの被害対策や捕獲の他に、野生獣を未利用資源ととらえ、積極的に利活用が始まりかけたときでした。そこで三重県が2012年3月に、捕獲から解体、流通に至るまでの具体的な方法について記述した「みえジビエ品質・衛生管理マニュアル」を作成。中森さんは「捕獲した鹿や猪を安全・安心な食材として流通させたい」と「みえジビエ品質・衛生管理マニュアル」に沿った解体処理施設として「みえジビエ登録業者」に登録。みえジビエの生産に取り組み始めたのです。

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解体作業は職人の手でひとつひとつ丁寧に行われます

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肉はすべて真空パックにされ、保存されます

各仕掛けが「猟師の腕の見せどころ」

みえジビエの捕獲は、「檻」や「足くくり」で捕獲するのが原則です。檻や足くくりの形状や仕掛けは「猟師の腕の見せどころ」と話す中森さん。おびきよせるためのエサや仕掛けは試行錯誤をしながら研究、どれだけ工夫するかで成果は変わるとか。「特に猪は足くくりの仕掛けを鼻で押し上げてすいすい通る奴もいる。まさに人間と動物との知恵比べ、イタチごっこです」。そのために、猟師も日々創意工夫、切磋琢磨するのだとも話します。
中森さんは伊賀管内で大型檻を5基担当。「みえジビエのマニュアルでは高品質で安全安心なジビエにするために、止め刺しから夏場は60分以内、冬場は90分以内に処理施設に搬入することが決められているので、猟師から『獲物がかかった』と連絡が入るとすぐに飛んでいきます」。
現場についたらすぐに止め刺しを行い、その場で血抜きも行って素早く自社の解体処理施設に持ち帰って解体し、食用に仕上げていきます。

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大型の檻。1日に5〜6頭捕獲されることもあります

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檻はカメラで24時間監視、画像がスマホに送られる仕組み

ジビエの認知度を高め、仕事の安定化をめざす

「かじか」には、年間を通じて多くのレストランや加工業者からみえジビエの注文が入ってきます。しかし鹿の場合、重量あたり精肉割合が1/4に届くかどうかというくらい少なく、ましてや野生が相手なので供給も安定しません。「注文をいただいても納品できない時もある。各供給先へのバランスも難しい」と中森さんは頭を悩ませます。それでも、この仕事を続けているおかげで嬉しい声も。「地元の人からは農作物の被害が減った、あるいは鹿や猪との交通事故が減ったと喜んでもらっています」と話し、それがやりがいにつながっているとも話します。
「今後は被害対策から、ブランド食材としてみえジビエを確立していくことが目標」と話す中森さん。「食文化として認知度を高めていけば、各市町村にももっと解体処理施設が増えていきます。価値を高めることで、食肉としての安全・安心はもちろん我々の仕事の安定も図れます」。三重の新しい食文化としてさらに定着化を図ることを胸に、中森さんはこれからも積極的にみえジビエ生産に取り組んでいきます。

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出荷するときは金属探知機にかけるなど、安全安心を徹底

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「地元でどんどんジビエを消費して、認知度を高めたい」と話す中森さん

2015年1月7日取材時の情報になります
ライター:小山芳恵

お問い合わせ
施設名 いがまち山里の幸 利活用組合 かじか
住所 三重県伊賀市山畑3583 有限会社芭蕉農林内
TEL 0595-45-8671
営業時間 8:30〜17:00
定休日 日曜、祭日
URL http://www.bashonorin.com/kajika/
E-mail
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