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独自の基準を設け、安全・安心の「みえジビエ」へ
2015.02.09 更新

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ジビエとは、狩猟された野生の鹿や猪などの食材のこと。ヨーロッパでは古くから知られる食材ですが、昨今は日本でもフレンチやイタリアンでおなじみになってきています。
また、農作物を荒らす獣害対策で捕獲した猪や鹿を食用として利活用する取り組みも全国各地で行われています。
三重県でも、地元で捕獲した鹿や猪を「みえジビエ」として利活用する「みえジビエ推進プロジェクト」を発足。三重県フードイノベーション課の東川恵美さんにお話を伺いました。

フードイノベーション課で本格的な取り組みへ

もともと「みえジビエ推進プロジェクト」は2012年から三重県獣害対策課で実施。「農家の方々が丹精込めて育てた米や野菜、果物を無残に荒らしてしまうなど、県内各地で深刻な被害が出ていました。そのため、獣害対策課では田畑に柵を作り、森林整備や清掃管理を行いながら鹿や猪を捕獲する、といった対策を行っていました」と東川さんは話します。その甲斐あって、2011年から2013年の間に、被害が約2億円削減。さらに捕獲した鹿や猪を食用として利活用するために、銃ではなく田畑に仕掛けた檻を増やす取り組みも行う動きも。「銃で捕獲すると、血抜きがうまくいかずどうしても臭みが残ります。檻で捕獲し、専門の解体施設で素早く血抜きをすることでおいしい食肉となるのです」と東川さんはいいます。
2013年にはフードイノベーション課にこのプロジェクトを移設。生産者、事業者、大学、行政などが連携して新たなジビエ商品の開発に本格的に取り組むことになったのです。

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みえジビエ登録事業者の第一回交付式の様子

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レシピ本も作成し、本格的な普及に乗り出しました

マニュアルと全国初の登録制度を設置

フードイノベーション課ではみえジビエ商品を開発するにあたり、より安全・安心でおいしいものを提供しようと、「みえジビエ品質・衛生管理マニュアル」の作成に着手。県が中心となって食肉専門業者の方々の話も聞きながら、厚生労働省に先駆けて2013年3月に作成されました。
「みえジビエ品質・衛生管理マニュアル」とは、食品衛生法による規定に加えて衛生管理や肉の本質維持のために解体処理事業者から加工品製造施設、販売店、飲食店までの自主管理を定めたマニュアルのこと。「具体的には県内で捕獲された鹿や猪であることや、とさつ後24時間以内に4℃以下で保冷、保管していることなどが定められています」と東川さん。さらに全国初の「みえジビエ登録制度」も設置。「マニュアルに沿った衛生・品質管理を行う事業者を登録することでより安全で安心なジビエの流通を確保し、みえジビエのブランドを向上させることが目的です」。事業者は解体処理、加工、流通、レストランの4つのカテゴリー別に登録。みえジビエの名を広めるべく、それぞれに活動を行っています。

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三重県とみえジビエ登録事業者「サンショク」とのコラボ商品も多数

イベントやフェアでみえジビエの魅力をPR

こうした品質・衛生管理マニュアルや事業者登録制度の推進とともに、コラボ企画やイベントなどを行い、一般の人々に広く「みえジビエ」を知ってもらう活動も活発に行なっています。その中のひとつである「みえジビエフェア」では、“森の恵みと楽しむジビエ”など毎回多彩なテーマでフェアを開催。登録事業者である県内各地のイタリアンやフレンチ、洋食、中華などのレストランでみえジビエを使ったバラエティ豊かな料理が味わえます。また春と秋の年2回、ジビエの料理教室も実施。登録事業者のレストランからシェフを招き、みえジビエを使う料理の講習が行われます。
さらにみえジビエを販売するスーパーや県のイベント内でのPR、カレーの人気店とのコラボ企画も毎年行われています。「鹿や猪は高タンパク低カロリー。ビタミンやミネラルが豊富で、特に鉄や亜鉛を多く含むので女性に食べてほしい食品です。安心・安全でおいしいみえジビエをもっと多くの人々に食べてもらいたいです」と東川さんはじめフードイノベーション課の人々は全力でその魅力をPRしています。

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スーパーマーケットでのPR活動も展開

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「森林フェスタ」では鹿肉を使ったコロッケや串カツを販売

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三井食品フードショーにも出展し、大々的にPR

2015年1月7日取材時の情報になります
ライター:小山芳恵

お問い合わせ
施設名 三重県農林水産部フードイノベーション課
住所 三重県津市広明町13
TEL 059-224-2391
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