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“東濃ヒノキ”の薪で東白川村を元気に! 行政と村民が一つになって地域おこしを推進する「村おこし会社第3セクター株式会社ふるさと企画」
2013.01.13 更新

白川茶と東濃ヒノキとツチノコの村

白川街道に沿って車を走らせると、山際に「白川茶発祥の地」と書かれた看板が見えてくる。
室町時代、当時の東白川村にあった幡龍寺の住職が京都の宇治から茶の苗を持ち帰り、
村人の栽培を勧めたのが始まりとされている。

都市との体験交流施設「こもれびの館」

「こもれびの館」の向かいにあるレストラン「味彩」。
冬は鹿肉などジビエのカレーバイキングも食べられる

 東濃には、青川、赤川、黒川といった五色川(ごしきがわ)と呼ばれる川がある。
そのうちの一つ、白川に沿って白川口から加子母(かしも)に至る白川街道が通っているが、
東白川村はその途中にある山間の村だ。
積雪量もさほど多くはなく、日本三名泉の一つである下呂温泉や中津川、美濃加茂までは数十分。
名古屋へも約2時間という距離である。
「白川茶」と「東濃ヒノキ」の産地として名高く、
2011年にはNPO法人「日本で最も美しい村」連合に加盟し、
里山の景観保全と地域資源の有効活用に取り組んでいる。
 東白川村は、日本で唯一寺のない“神道の村”としても知られている。
明治の廃仏毀釈により村内にあった二つの寺は廃寺となり、今に至るまで再建されていない。
また、未確認生物(UMA)ツチノコの目撃情報が多く、
毎年春には「つちのこフェスタ」が開催され、多くの人々がツチノコを求めて村内を大捜索する。

村内の高齢者が活躍する薪づくり

「味彩」の内部。木がふんだんに使われており、窓からは陽光が差し込む。
食事の後に周囲の森を歩くのも楽しい。

「ふるさと企画」代表取締役副社長の村雲和裕さん

「味彩」には、東白川村の特産品「とまとのまんま」「しそしそばなし」トマトケチャップなども並ぶ

平成3年3月、東白川村では行政と村民が出資して、第3セクター「株式会社ふるさと企画」が設立された。
「白川茶」や「東濃ヒノキ」をはじめとする地域資源の有効活用による村おこしと
村民の働く場所の創造を目的としており、特産品販売・製造加工・交流事業・総務の四部門から成る。
今回は「ふるさと企画」が運営する体験施設「こもれびの里」に併設されたレストラン「味彩」で、
「ふるさと企画」の代表取締役副社長の村雲和裕さんに、
木質バイオマスによる地域活性化の取り組みについてお話を聞いた。
「『ふるさと企画』では3年前から東濃ヒノキの薪販売を始めました。
切り捨ての間伐材が山に放置されている状況を見て、
この間伐のヒノキ材をなんとかして、お金に換えることができないかと考え、
1年間ほどいろいろ試行錯誤した結果、
薪を作ってホームセンターなどで扱ってもらおうということになったのです。
そこで、村内のお年寄りたちに協力を呼びかけて、薪を作ってもらうことになりました」と村雲さん。
 東白川村では薪のことをセンバといい、
昔は学校教育の中で薪ストーブの燃料としての薪づくりをしていたのだという。
 最初は3名だった薪生産者も今では30名弱。
東海地方にシェアを持つ大手ホームセンター3社での取り扱いが可能となり、
2012年は1万束出荷し、2013年には3万束の出荷が見込まれるという。
薪にする材は自分の山から間伐して出してくるが、
時には「東白川村森林組合」の土場から供給される場合もある。
「薪作りはチェーンソーとヨキがあればできる、極めてシンプルな作業。
ゆくゆくは直送でネット販売も考えていますが、
まずはホームセンターで扱っていることを多くの方々に知っていただきたいですね。
『東濃ヒノキ』というブランドの薪を、村内の木を使って村民が生産し、
村外に販売することで村にお金が落ちる仕組みを確立していきたいです。
でないと、村の中でお金が回っているだけで経済的な効果は生まれません」と、村雲さんは熱く語る。

「東濃ヒノキ」の薪から広がる新たな交流

東濃ひのきの材から薪を作る松岡勝司さん。
丸太をチェーンソーで36cmごとに切って四つ割~六つ割にする。松岡さんが使っているのは薪割り機。
ヨキを使って割る人もいる

生産された薪は1ヶ所に集められ、各ホームセンターへと出荷されていく。

「東濃ヒノキ」は岐阜県東濃地方を中心に生産される桧の銘木。
木曽五木(ヒノキ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコ・サワラ)の一つ。
伊勢神宮の式年遷宮で、外宮の用材として用いられることでも知られている

「more trees」は加子母・東白川村森林組合と「森林づくりパートナーシップ基本協定」を結んだ。
今後は、企業が排出したCO2を森林が吸収したCO2で相殺する
「カーボン・オフセット」の推進などを行っていく

 薪ストーブの薪と言えば、ナラなどの広葉樹が一般的だが、
ヒノキには油が含まれているため、火付けは良いし火力もある。
しかし、火持ちがしないという欠点がある。
そこで、ホームセンターでは火持ちの良い広葉樹の薪と抱き合わせで販売を行っている。
「『東濃ヒノキの薪を入れたことで、結果的に薪の売り上げは伸びています』と
バイヤーから教えていただきましたので、相乗的に需要が伸びているのだと思います」と、村雲さん。
 薪を求めて東白川村を訪れる人が増えれば、村の特産品や土産物の需要も伸びるし、
体験施設やレストランを利用する人も増えるだろう。「こもれびの里」はそのための拠点だ。
 「名古屋に営業に行くと決まって『あの合掌造りの……」と言われてしまう。
もっと名古屋から近くて、里山の資源も豊富でいろいろな体験ができる場所だということを、
積極的にアピールしていきたいですね。
下呂温泉の旅館でも「こもれびの里」のパンフレットを置いてもらったりしています』とのこと。
 毎年春になると、名古屋から15、6台ものバスを連ねて山菜取りに来る人たちがいるし、
平成24年には、坂本龍一さんが代表を務める「more trees」や、
「サントリー天然水の森」として森林づくりのパートナーシップ協定を結んだ。
 東濃ひのきの薪から新たな交流が生まれる予感がする。

編集員のココがオススメ!

3.11以来、薪ストーブの購入者が増えており、薪の需要も伸びています。原発事故による放射能汚染などからも、環境を汚さない木質バイオマスに注目が集まっているのでしょう。そんな中、東白川村の取り組みにはとても興味深いものがあります。地域資源の有効活用はもちろんのこと、薪を通して燃料を自給自足できる中山間地域の魅力を感じてもらうツールとしても、非常に有効ではないかと思います。

(松島頼子)

 

団体情報

団体名 株式会社ふるさと企画
住所 加茂郡東白川村神土
TEL& FAX TEL:0574-78-3222(こもれびの里・味彩)
E-mail master@furusatokikaku.com
URL 東白川村・ふるさと企画

2012年12月13日現在の情報になります。

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