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地産地癒が起源の百草を今に伝え、未来に残していく「長野県製薬株式会社」
2011.04.15 更新

百草を持つ森下さんと百草丸を持つ千野根さん、商品はネット注文も承り中

日本には伝承薬や家伝薬などと呼ばれ、100年を超えて受け継がれる薬があります。
霊峰木曽御嶽山に伝わる百草もその一つで、歴史はさかのぼること約250年。
百草発祥の地とされる王滝村で医薬品製造販売の長野県製薬を訪ね、
取締役社長の家高敏彰さんと店舗管理者の森下純二さんに、
百草の歴史からお話を聞いてみることにしました。

百草の起源はどのようなものでしょうか?

「今から250年以上前の江戸時代、御嶽山の修験者が村人に製法を伝えたのが始まりと言われ、
家々で作られるようになっていきました。
キハダのエキスを煮出したものが主原料ですが、
人によっては高山植物や御神水を加えたこともあったそうですよ」と家高社長。
このような薬は日本独自の製法で、中国由来の漢方薬と区別し、和漢薬と言われます。
伝承薬や家伝薬の多くがそうであるように、自然界から採れる生薬などが原料であることも特徴です。
今は薬事法により、医薬品として百草の製造には許可が必要ですが、
かつてはオリジナリティあふれる百草が出回っていたのでしょうね。

キハダが生える駐車場奥に御嶽大神と名のついた小さな神社が

蒸気が見える本社工場と、赤い屋根の事務所・売店「百草の郷本舗」

色々なハーブからオリジナルかほり袋が作れる売店のコーナー

社員の皆さんにとっても

百草の伝統、和漢薬の良さを知ってもらいたいと語る家高社長

百草の主成分は天然物なため、家高社長によると
「(化学合成品ではない)百草で副作用が出たと言う話は今までに聞いたことありません。
常備薬として服用し、健康維持にお役立て頂きたい」。
生薬を取り入れた自社製品は、社員皆さんの健康管理に一役買っているのだとか!
250年を超える歴史を持つ百草ですが、この先さらに100年続くかについて、
「昔は世代間で伝わったものも、核家族化で切れるようになってきましたが、ぜひそうしたい」。
日々の健康のためにも、製品の良さを地道にPRする必要があると話されていました。

工場見学の予約お待ちしています

オウバクエキスの抽出工程はガラスの向こう側、夏場の室温は50℃近いそうです

(左)ミカン科の落葉広葉樹キハダの樹皮、百草の原料はこれを乾燥させたオウバク(黄柏)です
(右)オウバクエキスのみを板チョコ状へ固めた百草に対し、
他の生薬と混合した百草丸はこの製丸機で製造されます

瓶詰め前の瓶にLED照明を照射し、傷・汚れ・異物などがないか外観検査します

工場見学の一部、オウバクエキスの抽出→ろ過→濃縮の工程を、森下さんの案内で見せて頂くことに。
約900℃の蒸気で煮出されるオウバクは、濃縮が進むにつれ黄色のエキスは黒色へ変わります。
外で見ると、蒸気ダクトから排出される湯気と共に、オウバクエキスの匂いが漂っていました。
ちなみにご自分だけの百草を作ることはできませんよ。
製造は法律に定められた許可を受ける装置で、作業する人も制限されているそうです。
工場見学は子供の社会科見学、薬学部学生さんや社会人など様々。
受付は「4〜11月は土日祝日含め無休です。
12〜3月は土日祝日休みですが、団体のお客様のご予約には対応できます」とのこと。

編集員のココがオススメ!

薬草の宝庫である御嶽山、その東に位置する木曽谷へは尾張藩の薬草採取団が派遣され、調査記録が行われたほど。しかし今日、製品製造に必要な水こそ十分とは言え、原料全てが木曽産、あるいは長野県産とはいかなくなってきました。地産地癒だった百草復活のため、会社では、主原料キハダの苗木無料配布を続けています。

(小穴久仁)

店舗情報

URL自然の恵み生薬を和漢薬・御岳百草丸に込めて−長野県製薬

住所 長野県木曽郡王滝村此の島100-1
TEL/FAX TEL:0120-100-975/0264-46-3003
FAX:0264-46-3005
営業時間 9:00〜17:00
定休日 土日祝日
E-mail info@hyakuso.co.jp

2011年2月21日現在の情報になります。

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