時計の針は午後1時を回ろうとしているものの、取材スケジュールは遅れ気味。
昼食を後回しにし、旧宮川村の浦谷と呼ばれる地区で、特産品を興そうとする方を訪ねます。
着いた所は、宮川の支流沿いに田んぼが並ぶ集落。
お目当ての特産品とは「ゆず胡椒」のことで、
この商品化を目指している佐今孝司さんのお宅にお邪魔しました。
この辺りのユズ生産は、今に始まったわけではありませんが、
三重大学と製油会社との連携で、ゆず胡椒商品化の取り組みがスタートしたのはつい最近。
瓶のラベルにある材料に、コショウが見当たらないのですが。
このことを佐今さんにお聞きすると、
「コショウではなく辛いトウガラシ。種を取ってミキサーに掛けます」とのお答え。
辛いトウガラシは、大根や白菜を漬けるため、昔は家ごとに作られていたそうです。
佐今さんは、去年11月にできた試作品の配布と併せ、ゆず胡椒のアンケートも行いました。
アンケートの結果、例えば、ゆず胡椒には白いご飯がよく合うという意見が多くあり、
また販売価格に関する意見は非常にばらつきがあったとのことです。
最も大変な作業は、黄色くなる前の青いうちに収穫したユズの皮剥きで、
奥様をはじめとした女性陣の出番。青い皮の部分だけを、
空気に触れて色が変わらないよう、すぐ漬け込みます。
衛生関連の検査も無事にパスしており、商品化に向けて、準備は最終段階です。
家の周りで栽培中の苗も見せてもらうことに。
「地域苗」と呼ばれ、地域の苗を地域で作りましょうと言う方針だと、
岡本さんが補足してくれました。
ほとんどが寒冷紗で覆われ、苗には採った場所や日時などが記されています。
近くの山から集める苗は、種の数だけで100くらいだとか。
佐今さんは種の保存、遺伝的多様性の保存にも取り組んでいます。
1)生産者の顔が見える・・・生産者は顔見知り同士 2)色が変わりにくい・・・他県産に比べても 3)無農薬・・・ユズもトウガラシも これらが佐今さんのゆず胡椒の特徴でしょうか。商品を手にしたら、皆さんもどんな料理と合うか、色々試してみましょう。 (小穴久仁・倉田和己)
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2010年9月21日現在の情報になります。