家庭での加工食品の作り方指導からスタート
「漬物の素」を使って、地元野菜の消費拡大に取り組んでいる企業があると聞き、
西尾市の「株式会社宏昌食糧研究所」を訪ねました。
荒廃した日本の食糧事情の改善を目的に、昭和19年(1944年)の戦中に創業し、
農協婦人部などとともに生活改善運動に取り組んできた企業です。
創業者である先々代の社長は、集落ごとに家庭の庭先で、
身近にある材料を使っての味噌や調味料、漬物づくりなどを指導したと言います。
そうした加工食品の製造指導を背景として「漬物の素」を開発し、
昭和35年(1960年)に販売を開始しました。

全国有数の野菜の産地で地産地消活動
「地産地消は昔からあったんですね。
ただ、流通が発達して、野菜なども地元産以外のものが手に入るようになった。
その一方で、せっかく作っても規格外や量が少ないなどの理由で
市場に出ない野菜もたくさんあったんですよ。
それが数年前からは農協の直売所や産直市場などに、
農家の人たちが自分たちの手で野菜を置くような取り組みが各地で盛んになってきたんです」
と語る社長の堀川敬生さん。
愛知県は全国的に見ても産直野菜の販売では有数の地域だと言います。
地域の野菜を見直してほしいという思いと、
気候風土にあった食品の加工技術や文化を伝承したいという思いから、
主に生協やJAとともに「漬物の素」を使った地元野菜の消費拡大に
貢献する活動に取り組んでいるそうです。

「漬物講習会」で生産者と消費者の接点づくり
堀川さんの会社では、単に「漬物の素」の製造販売をするだけでなく、
手づくり食品の指導を通して“安心・安全・健康”を消費者に伝えたいと「漬物講習会」を実施。
講習会では、野菜の見分け方から漬物の作り方、美味しい食べ方などを伝えています。
講習会に参加した人からは「初めて漬物を漬けたが楽しかった」など、
手軽に美味しい漬物ができることもあって大好評だとか。

「私たちが講習会で美味しい漬物づくりをお伝えしています」
さまざまな「漬物の素」で野菜を生かす
漬け物は塩やぬかなどによって野菜の栄養分はそのままに、
美味しさを倍増させる加工方法だと言います。
「同じ野菜でも育った気候風土が異なれば、味なども微妙に違います。
地域の野菜を研究し、それに合うような漬物の素を開発しているんですよ」。
粕漬やぬか漬の素、たくあん漬の素、キムチを漬ける素など20種類ほどの「漬物の素」を製造。
中には碧南の白しょう油の粕を使った「ぬか漬の素 百年床」や、
愛知県の赤味噌を使った「あじつけ味噌みりん粕」など、地産地消の商品もあります。

※商品は生協やJAの一部店舗で販売。購入方法や価格についてはお問い合わせ下さい。
編集員のココがオススメ!
| 漬物は「粕」や「ぬか」の準備や手入れが面倒な気がしたり、塩加減が難しいと感じたりしてなかなか手を出せない人も多いのでは?そんな人の強い味方が「漬物の素」。縦に半割にして種を取ったうりに、「一夜漬粕」を詰めて3日ほど冷蔵庫で寝かせるだけで美味しい「うりの粕漬」のでき上がり。これなら私でも漬物名人になれそうかもと思いました。
(田中マリ子)
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(右)うりの粕漬と「一夜漬粕」
店舗情報
| 住所 | 〒445-0072 愛知県西尾市徳次町小薮45番地 |
| アクセス | 名鉄線西尾駅から徒歩約20分 |
| TEL/FAX |
TEL:0563-56-8844 FAX:0563-57-1805 |
| URL |
㈱宏昌食糧研究所ホームページ |
| 営業時間 | 8:30~17:30 |
| 定休日 | 土・日曜、祝日 |
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