愛知・三河地域の伝統産業である三河湾産ハゼの甘露煮づくり。
平松食品(本社:豊橋市)の豊川市にある御津工場では、
師走にはいり甘露煮の製造が最盛期をむかえ、工場はフル稼働しています。
従業員が忙しく働く工場内には、大きな釜がずらりとならび、
味のよくしみこんだ甘露煮が次々と炊き上がります。
伝統の製法によって3日間かけてつくられた製品は、関東から東海地方にかけて出荷され、
デパートやスーパーの店頭にならびます。
一つひとつの工程を、職人が丹精込めてつくる三河湾産ハゼの甘露煮。
ハゼの内臓をとりだして魚体に串を打ち、素焼きした後に特製のたれで炊き上げる。
最後に、たっぷりのたれを何度もかける「かけだれ」という作業を行い、仕上げていきます。
「三河の甘露煮は甘め。かけだれはこの地域の製法の特徴で、製品につやがでて保存性もよいのです」
と平松賢介社長。
すばしこい動きでエサをとることから、「すばやくことをなす」縁起の良い魚とされるハゼ。
三河湾では9月上旬から水揚げが始まりましたが、今年も漁獲量は少なく、近年は不漁続き。
同社では、約5トンの生産出荷を見込んでおり、中国産のハゼを代替することで伝統の製法を守り、
食の文化をつないでいきたいとしています。
同社のハゼの甘露煮づくりは、年末まで行われます。
(新美貴資)
2013年12月5日現在の情報になります