豊橋百儂人・鑑賞花儂人の代表・中村孝康さんが営む「菜ッ花園(なっかえん)」では、
シクラメンやボロニアを始め、自家製オリジナルの品種など、さまざまな種類の花を栽培しています。
今回は、美しく色づく花々に囲まれながら、
中村さん、そして共に家業を営む奥さん、息子さんに花や仕事への想いをお話頂きました。
「昔は『中村園芸』という名前でやっておりましたが、
息子が園の跡継ぎを決心した時に現在の『菜ッ花園』に名前を変更しました。
今ではお客さんに名前が定着して、
“なっかえんさん、なっかえんさん”なんて呼ばれるようになったんですよ。」
栽培の作業全般・管理などを中村さん、
店舗や市場での販売、店頭POP作り、ホームページの管理を奥さん、
そして中村さんの栽培作業サポート、市場の展示会などで営業を行うのは息子さんと、
3人でそれぞれの仕事を役割分担し行なっています。
「嫁さんや息子が時代の流れを見て、どんどん先を走っていってくれる。
それがあるからこそ、僕は花の栽培に集中することができるんです。」と、
中村さんは笑顔で語りました。
「菜ッ花園」では、秋から年末まではシクラメン、2月から4月頃までボロニア、
4月からガザニア、そして5月ぐらいからは日々草を出荷。
また、オリジナルの品種開発にも積極的に取り組んでおり、
「菜ッ花園」のオリジナル品種の一つ「ボロニアピンクマリー」は、
農林水産省品種登録簿に登録されています。
「今後も、オリジナル品種で積極的に勝負したい」という想いを抱いている中村さん。
しかし工業製品のように、必ず常に同じものが出来上がるという訳ではないため、
新しい品種を作り出すことは非常に困難を極めるのだそう。
また、やはり花も生き物。育てるのが非常に難しい部分もあるのだそうです。
「シクラメンは特に難しく、夏の暑さに弱い。
最近の夏は本当に暑く、水の温度が上がってしまうため、花が傷みやすくなります。
そうなると人間と一緒で、弱ってる状態に病気が入りやすくなってしまいます。」
対策として、非常に手間はかかりますが、
1鉢1鉢上から水をかけたり、C鋼の水を出し入れするなどの作業と、
毎日の状態チェックを中村さんは欠かしません。
花への愛情と心の込もった努力の成果が、
中村さんと新しい品種を巡り合わせているのかもしれません。
「菜ッ花園」の花は豊明の市場をメインに、豊橋市の「食彩村」などで販売されています。
「食彩村では市場出荷と区別するために鉢の形を変えたり、
毎週少しづつでも見せ方に変化が出るようにしてみたり。
消費者のニーズに合わせることで、売れ残りを出さないように工夫しています。
今では『菜ッ花園』の商品だと認識してくださっているお客様が
少しずつ増えている事を実感する部分もあるので、
楽しくできる自分の仕事が見つけることができて本当に良かったと感じています。」と、
奥さんは笑顔で話します。
さらに中村さんが、今後の想いについても語ってくれました。
「家族で働けるというのは、やっぱり楽しい。
これからも、みんなで力を合わせて花を育てていけたら。
オリジナル品種の強みを活かして、こだわりを持って続けていきたいと思いますね。」
仲睦まじい中村さん親子の眩しい笑顔は、
鮮やかに色づき開く花のように、いつまでも輝き続けることでしょう。
「最近は生活の中で花と触れ合う機会が減り、特に若い世代の人たちは、花を見ても名前や種類などがすぐ分かる人が少ない・・日々の暮らしに花を取り入れることで、花が”癒し”になる。そんな気持ちを感じてもらえたら。」中村さんが花に託す想いは、シンプルですが、こころ豊かに暮らすために、とても大切なことではないでしょうか。菜ッ花園で栽培されている花の情報はホームページでもチェックすることができますので、ぜひ覗いてみてください。
(神戸夕香)
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農園名 | 菜ッ花園 |
住所 | 〒441-3301 愛知県豊橋市老津町波入江99 |
TEL/FAX | 0532-23-1592 |
URL |
菜ッ花園ホームページ 豊橋百儂人 – 中村孝康 |
2011年10月17日現在の情報になります。