みなさんは「お米マイスター」という言葉を知っていますか?
マイスター(MEISTER)は、ドイツ語で「巨匠・師匠」という意味。
お米マイスターは「日本米穀小売商業組合連合会」が主宰する、
お米に関する専門職経験のある人が選ばれるお米の博士号とも言える資格です。
今回は、名古屋市東区にある「有限会社 石うす屋 中村米穀」で、
店長であり5ツ星お米マイスターでもある中村公一さんに、お米についてお話を伺ってきました。
「特徴のあるお米を実際に食べてみたり、産地に足を運んでみて確認したり。
その中から選出したお米を、店頭に20種類程取り揃えています。」
モチモチしたお米、あっさりしたお米、また有機米や無農薬米など、
店頭に並ぶお米にはそれぞれに個性があり、
お客さんの好みに合ったお米を中村さんが選定してくれます。
そして選んだお米は、玄米の状態からその場で精米。
精米方法はこちらもお客さんの好みによって「精白米」はもちろん、
お米の胚芽やぬか層(皮)を一部残した「ぶづき米」(1~7ぶ)の精米方法を選ぶことができます。
「ぶづき米」は精白米より栄養価(ビタミンB1、食物繊維など)が高く、玄米食より食べやすく、
「ぶづき米」を試してみたい方は香ばしさが残る「7ぶづき米」をおすすめします。
まずはお米の保管方法。
購入してどのように保管しておくのが良いのでしょうか?
「冷蔵庫の野菜室に入れて、乾燥しないようにしっかりと蓋をしてください。
また夏場は2週間、冬は1ヶ月で食べきれる量を購入するのがおすすめ。
常に美味しいお米が食べられます。
それを過ぎてしまうと、買った時とはまったく味が違うものになってしまいます。
また、購入時の袋にはお米の呼吸用の穴が開いているので、
容器や米びつに移し変えたほうがいいですね。」
では、実際にお米を炊く際に気をつけた方が良いことは?
「まず、お米の研ぎ方で味が変わってきます。
一番気をつけて欲しいのは、水を透明になるぐらいまでお米を研ぎすぎないで欲しいということ。
もう一回研いだほうがいいかな?と思うくらいの水のにごり方で止めるのがベストですね。」
米ぬかというのはだいたい3,4回のすすぎ洗いの繰り返しで取れてしまい、
必要以上に研いでしまうと甘みの元となっている”でんぷん質”までも流れ出てしまうのだそう。
またでんぷん質の流れやすいお湯ではなく、水、できれば冷たい水で研ぐというのも
お米の味を引き出すのに重要なのだそうです。
さらに”電気炊飯器”の意外な事実を教えてくださいました。
「研いだら1時間程置いておくと良いと言われていますが、
実は今の今のIH式電気炊飯器には当てはまらなくて、今は炊飯器にその時間がプログラムされているんです。
なので、時間を置いて炊飯すると、お米本来の美味しさを損なう可能性があります。」
炊き上がったお米は、ムラにならないようにかき混ぜることも重要なんだそう。
一つ一つを丁寧に仕上げることが美味しい味にたどり着くためにいかに大切かを、
お米は教えてくれているのではないでしょうか。
「本当に美味しいお米を探すなら、産地やブランド、値段だけで判断するのではなく、
是非お米屋さんや、お米マイスターに相談してみて下さい。
すごく柔らかいのが好きであれば、それに合わせたお米を紹介しますし、
自分の好みがわからないのであれば、少しずついろいろ試してから
お気に入りを見つけてみて下さい。」
中部地方にも、岐阜県下呂の「龍の瞳」、西美濃地区の「ハツシモ」、
愛知の平地で育てられた「あいちのかおり」など、おいしいお米がたくさんある、と中村さん。
ブランドに左右されるのではなく、実際に食べてみることで
自分にぴったりのお米に出会うことができると、中村さんは笑顔で教えてくださいました。
お店には各地のお米だけでなく、こめ油や米とぎザルなどのお米用商品なども揃っています。この日試食させて頂いた7ぶづきのお米は、お米のしっかりとした濃厚な味わい、そして風味豊かな香ばしさが特徴。お米をこんなに美味しく感じたことはこれまでになかったので、とても感動してしまいました。是非お店に足を運び、中村さんにぴったりのお米を選んでいただきたいですね。
(神戸夕香)
|
住所名古屋市東区新出来1丁目5-5
店舗名 | 有限会社 石うす屋 中村米穀 |
TEL/FAX | TEL:052-936-7007 FAX:052-936-7008 |
isiusuya@yahoo.co.jp | |
営業時間 | 9:00〜19:00 |
定休日 | 日曜祝日、盆正月 |
URL | 有限会社 石うす屋 中村米穀 |
2010年9月7日現在の情報になります。