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ひょうたんで町に人を呼び込む。
養老の高校生たちの挑戦
2017.02.03 更新

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親孝行息子が滝の水をひょうたんに汲んで持ち帰り、年老いた父親に飲ませたところ元気になったという、昔話で知られる養老の町。町のシンボル・ひょうたんで人を呼び込もうと、地域の高校生たちが町おこし活動に取り組んでいます。

ひょうたんを町の観光資源に

高校生による町おこしグループ「瓢箪倶楽部秀吉(以下、秀吉)」の発足は、2014年春。地域を走る養老鉄道が赤字続きで廃線の危機にあり、「通学で利用する高校生たちでも何とかしたい」と県立大垣養老高校の生徒たちが立ち上げたもの。現在、同校の食品科学科で学ぶ生徒たち8名がメンバーとして活動しています。

「観賞用のイメージが強いひょうたんですが、僕たちは食用のひょうたんを育てて加工し、特産品として町のPRや観光に役立てたいと考えています」。そう話すのは、食品科学科2年生で部長の岩瀨龍弐朗さん。
秀吉では結成時から、学校の実習農園で国産の食用ひょうたん苗を育ててきました。初めの年は、収穫した実から中毒性の恐れのある成分が検出されたため断念。再チャレンジした昨年は無事、安全で食用に適した実を育てることに成功しました。その実を使い、漬物などの加工品を試作中です。ちなみに漬物の味はキュウリのそれに近いものだそう。

他にも、部員が手作りしたひょうたんランプを学園祭や観光地で販売したり、ひょうたんランプを作るワークショップを行うなど、ひょうたんの魅力をより広く伝えたいと活動しています。
昨年秋には、養老公園で行われたイベント「ひょうたんイルミネーション」に参加。ひょうたんをくり抜き、乾燥させたものに細工をして約1500個のランプを制作。養老公園の夜空をひょうたんランプの灯りが美しく彩る景色を観に、1万人以上のお客さんが訪れました。

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ひょうたんランプの灯りがキラキラ輝く、ひょうたんイルミネーション(写真提供/瓢箪倶楽部秀吉)

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ひょうたんで作ったオリジナルランプ(写真提供/瓢箪倶楽部秀吉)

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瓢箪倶楽部秀吉のメンバー。左から、中村愛莉香さん、野村姫威さん、北村綾香さん、米山美沙紀さん、岩瀨龍弐朗さん、河瀨沙稀乃さん

自分たちでネット番組を制作して放送

2015年4月から、高校生によるインターネット番組「High Scool Yeah!」の活動も始めました。番組の企画から制作まですべて自分たちで担当し、毎月第2水曜の夜、ニコ生とYouTube Live(※)で生放送で配信。養老町の町おこしNPO法人ヨロストが、運営サポートを行っています。
※共にインターネットを通じたライブ配信サービス。パソコンやスマートフォンなどで視聴できます。

取材日は1月の放送回。この日は4人のMCが出演し、それぞれが冬休みの過ごし方を報告するところから番組がスタートしました。
続いて、秀吉のひょうたんを使った地域活性化の取り組みが「平成28年度JA農業教育支援事業発表会」で見事グランプリを受賞したこと、「エコワングランプリ」での内閣総理大臣賞とベストプレゼンテーション賞の受賞、高校生が地域活性化策を発表する「田舎力甲子園2016」コンテストの表彰式に参加したことなどを報告。このように彼らの活動は、全国的にも評価されています。

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ネット番組「High Scool Yeah!」放送中。秀吉のメンバーがMCとして登場し、和気あいあいと話しながら番組が進みます。毎月第2水曜19時〜20時、ネット配信で生放送を行っています

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この日のタイムスケジュール。毎回の企画や構成も自分たちで考えて、番組を制作しています

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(左から)顧問の青木先生と、OBの永澤昭仁さん。永澤さんは名古屋の専門学校でデザインや環境について学んでおり、時々カメラマンとして手伝っています

秀吉の発足時から顧問としてサポートしているのが、大垣養老高校食品科学科の青木祐太先生。生徒たちのよき相談相手であり、放送日も必ずスタジオの収録に立ち合います。
「自分たちの言葉を使い、伝えたい思いをネット番組という形で情報発信することは、学校ではできないよい勉強になりますし、生徒たちが成長できる貴重な場だと感じています。そういう機会と場所が地域の方の協力で実現できていること、ありがたいですね」と青木先生。

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NPO法人ヨロストのメンバーが、番組作りのノウハウや技術面をサポートしています

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NPO法人ヨロストが運営する、常設スタジオから放送。スタジオは養老鉄道のホームのすぐ横にあり、放送中に時おり、電車が通る風景も見られます

町のイベント「1300年祭」を盛り上げたい

西暦717年、奈良時代の女帝・元正天皇は養老の地を訪れた後、元号を「養老」に改元しました。今年2017年はその1300年後に当たることから、養老町では町をあげてのイベント「養老改元1300年祭」を開催します。
秀吉もこのイベントに参加し、秋に行われるひょうたんイルミネーションでは1300年にちなみ、1万3000個のひょうたんランプを輝かせる計画です。
「地元で行われる大きなイベントなので、僕たちも協力してぜひ成功させたいと思っています。学科の知識を活かして研究を続けてきた食用ひょうたんの栽培にも成功したので、漬物を作って販売する予定です。養老のお土産として名物にしていきたいですね」と部長の岩瀬さんも抱負を語ります。

地域を元気にしたいと活動する、養老の高校生たちの取り組み。ネット番組で彼らの声を聞き、イベントにもぜひ足を運んで、その思いと頑張る姿を確かめてみてください。

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養老駅のホームには、町のシンボル・ひょうたんが飾られています

◎ インターネット番組「High School Yeah!」の視聴方法は→こちら

2017年1月18日取材時の情報です。
ライター : 梅田美穂

お問い合わせ
施設名 岐阜県立大垣養老高等学校
住所 岐阜県養老郡養老町祖父江向野1418-4
TEL 0584-32-3161
営業時間
定休日
E-mail c27392@gifu-net.ed.jp
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