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福祉事業所で作られる
みかんの木を使った小物たち
2015.01.31 更新

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蒲郡市にある社会福祉法人はばたきが運営する就労継続支援B型事業所「オレンジプラス」では、みかんの木で、人形やアクセサリーなどの木工作品を製作し、販売しています。
事業所では、日々の生活や訓練の中で、障がいのある方たち(以下メンバー)の社会参加を促す活動を行っており、その一環で始まったのが木工作品製作です。
職員の和田淑江さんにお話を伺いました。

木工作品を通し社会と関わる

「職員となる以前から、保育士をしながらボランティアとして『はばたき』に出入りしていました。趣味で絵を描くのが好きだったこともあり、当時の所長から、みかんの木にお雛様の絵を描くことを依頼されたことがきっかけで、お雛様をはじめ、五月人形(金太郎)、サンタクロースなど、季節の飾りをいろいろ作ってきました」と和田さん。
事業所内で製作できるよう、職員を対象に絵を描いてもらうレッスンも行ったそうです。「製作することは、なかなか難しいのですが、メンバーが営業に出かけたり、イベントで販売したりすることで、社会と関わる機会が増えるのではないかと考えました」。

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通常は中古パソコンのクリーニングや検査を行っています。ほとんどのメンバーがパソコンに詳しいそう

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オレンジプラスは障がいのある方たちを支援する場所

みんなで力を合わせて

みかんの廃木を利用しようと思ったのは、10年ほど前にみかんの木で作品を作っている方がいると聞いていたからだそうです。「地元で馴染みのある木ですし、みかんの木は断面が美しく着色でき、また、持っていると温かい気持ちになります」。
材料になるみかんの廃木は、職員とメンバーで農家へもらいに行きます。半年以上、干して乾燥させた木を、和田さんが作った見本に合わせて切っていきます。「この作業はボランティアの方々にお願いしていますが、いちばん大変な作業なので感謝しています」と語る和田さん。農家やボランティアの方など、協力者がいるおかげでやれると言います。
形になった木片に紙ヤスリをかけて磨くのは、メンバーの仕事。完成した木片に和田さんが絵を描いていきます。
キーホルダーにヒモを付けるなどの仕上げ作業やラッピングなどは、メンバーがそれぞれ自分のできることをやるという形ですすめているそうです。

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薄く輪切りにした木にスタンプで絵柄と名前を押したキーホルダー。300円(税込)〜

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キーホルダーに紙ヤスリをかけて表面をなめらかにします。根気のいる仕事です

みかんの木が可愛い小物に

最初は、2011年のクリスマス用にみかんの枝でサンタクロースのペンダントやブローチを製作。市役所で開催されていた保育園の先生方が集まる会で商品を紹介しました。「先生方のご協力もあって、販売個数が300ほどになりました」。
翌2012年には、お雛様の見本とチラシを持って保育園をまわり、注文を受けたそうです。
同じ年の5月には「金太郎とこいのぼり」や東日本大震災の寄付を募るための作品も製作しました。「子どもさんが元気になりますように」という願いを込めて作ったとか。
「手作業なので、大量に作ることはできませんし、全く同じものはできません」。1つひとつデザインが異なるのも手作りならではの魅力です。
木工作品は少しづつ種類が増え、進化し続けています。材料がみかんの木ということも話題になるとか。「イベントの記念品や企画品などに利用していただくことも増え、感謝の気持ちでいっぱいです」と和田さんは言います。

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木の形に合わせて絵が描かれているため、顔の形もまちまちです。金太郎とこいのぼりは1,000円(税込)〜。サンタクロースのペンダントとブローチは各300円(税込)

※お雛様/男雛・女雛1対800円(税込)〜。円形のお雛様は完売

メンバーの社会活動を後おし

蒲郡市のクラフトフェアをはじめ、年間5〜6回はイベントに出店しています。物を売るだけでなく、その場でスタンプを押してもらうなど体験の場も設け、メンバーがお客さんとふれあう機会を増やしています。
「いろんな人との関わりを通して、人や地域との付き合い方を学ぶことができると思います。最近ではメンバーそれぞれが、レジや体験コーナーなど自分の役割を積極的にこなすほど慣れてきました」。
収益をメンバーたちの工賃にプラスできるメリットがあるのはもちろんですが、社会活動の一助になることに意義があります。
「木工作品の製作・販売は、メンバーが社会に参加する機会の1つだと思いますし、細く長く続けていきたいですね」と和田さんは語ります。

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クラフトフェアの様子

2015年1月21日取材時の情報になります
ライター:田中マリ子

お問い合わせ
施設名 社会福祉法人はばたき オレンジプラス
住所 愛知県蒲郡市神明町8番10号 Oriビル103
TEL TEL・FAX 0533-79-9477
営業時間
定休日
E-mail wada@orange-habataki.or.jp
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