豊橋で生産される食用花のひとつ、「エディブルフラワー」。このとおり美しく咲いたお花ですが、野菜と同じように、安心して食べられるよう作られたもの。栄養価も高く、ビタミン類を多く含んでいます。
豊橋市は現在、市場シェア90%以上を誇る全国一の生産地。豊橋温室園芸農業協同組合エディブルフラワー部会にお話を伺ってきました。
和食で使われることが多い菊やシソに較べて、洋風の料理にもよく合うエディブルフラワー。1990年(平成2年)、大阪で行われた「国際花と緑の博覧会」を機に全国に広まったのだそう。
もともと同組合では、1969年(昭和44年)から食用花の「桜草」を栽培出荷していました。桜草の時期は11月下旬から5月中と限られるため、通年出荷できるよう新品種の開発に積極的に取り組み、取り扱う品種・品目が増えていきました。
1989年(平成元年)に桜草部会を「エディブルフラワー部会」へ改名。現在、プリムラ、ビオラ、カーネーション、カレンジュラ、コスモスなど、一年を通じてさまざまな種類の花を出荷しています。
市場へ出荷するための、集荷作業を見学しました。週に5日程度、生産者である部員13名が組合の集荷場に集まり、みんなで作業を行います。
作業は毎回、朝9時15分からスタート。まず部員それぞれが自分の畑で収穫し、パック詰めしたものを持ち寄ります。それらを市場や業者からの注文に応じて花の種類や色を組み合わせ、出荷用の段ボールに詰めていきます。
仙台から博多まで全国の市場に向けて毎回約1万パック程度、出荷しています。
エディブルフラワー部会の部長、渡辺道晴さんのハウスに案内していただきました。ハウスの中は一面、プリムラの華やかな色が広がっていました。4月の終わり頃まで収穫できるそう。つぼみで収穫する観賞用と異なり、きれいに咲いた状態で一輪ずつ、手作業で摘み取ります。
一年を通じて多種類の花を収穫・供給できるよう、ハウス内の土づくりや温度、日照の調整などの栽培管理に工夫を凝らしています。
エディブルフラワー部会では、農薬使用に関する独自の厳しい基準を設けています。どの生産者の畑でいつ、どんな農薬を使用したのかという履歴もきちんと記録。こうした取り組みも、高い品質を支えています。
「花の美しさはもちろんですが、食べるものですから、安心安全であることが一番大切です。使う農薬は花によって異なり、使用回数や散布から出荷までの日数も厳しく決められています」と渡辺さん。
食べられる美しい花、エディブルフラワー。スーパーなどで見つけたら購入してみてはいかがでしょうか。使い方はさっと洗ってガクを取り除き、野菜と同じ感覚でOKです。お花のサラダやお花のゼリー、絵本に出て来るメニューのような夢のある一皿になることでしょう。花より団子ならぬ、花も団子も楽しんでみてください!
2014年3月3日取材時の情報になります
ライター:梅田美穂
施設名 | 豊橋温室園芸農業協同組合 エディブルフラワー部会 |
住所 | 愛知県豊橋市高州町字小島103-1 |
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