秋から脂がのり始め、冬にかけて獲れる伊勢湾のサワラ。
三重県松阪市の猟師漁港では、12月いっぱいまで漁が行われ、水揚げが続きます。
昼過ぎに漁港を訪れると、ちょうど漁を終えた漁船が帰港し、
獲れたばかりのサワラを水揚げしている真っ最中。
60センチを超える丸々と太ったたくさんの魚体が、陽の光を受けてまぶしく輝いていました。
刺身や塩焼き、照り焼きにしてもおいしいサワラ。
地元には「サワラめし」という、
アラからとっただしで米と身を一緒に炊き込む食べ方が昔から伝わっています。
この日も好漁だったようで、たくさんのサワラを前に
「今年は例年より多い」と笑顔をみせる漁師の田中吉兆さん(35歳)。
「浮き魚狩り刺し網」という魚を網でまいて獲る漁法で、10月ごろからサワラを漁獲しています。
「湾のなかでたっぷりエサを食べているから、脂がのっている」
自らが獲った旬の魚を手にとり、自信をもってすすめます。
漁のある日は父母とともに夜明けから漁船に乗り込み、
港にもどる午後まで、海のうえでの作業が休みなく行われます。
水揚げされたサワラは市場に出荷された後、取引を経て、
地元の料理店やスーパーの売り場などにならびます。
(新美貴資)
2013年12月2日現在の情報になります