江戸時代からの町割が残る犬山市。
犬山城へと続く、旧稲置街道沿いにある和菓子屋の若松屋は、明治の初め頃から続くお店です。
「初代の頃は、落雁や練り物など、結婚式の引き菓子が中心だったそうです」と3代目の後藤豊正さん。
店内には、干菓子や季節の生菓子、犬山ゆかりの菓子などが並んでいます。
お店の人気商品の一つが季節限定(6月初旬〜9月中旬)の「桃酔果(とうすいか)」。
2代目が30年位前から試行錯誤をしてでき上がったお菓子です。
「当時、犬山という名前が付いた菓子はありましたが、
何か地元に関係の深い菓子はできないかと思ったんです」と2代目の後藤幸夫さん。
そこで目をつけたのが、当時、犬山で盛んに栽培が行われていた桃でした。
昔、養蚕農家が多かった犬山では、養蚕業が衰退するにつれて、
桑畑を桃畑にしたことで、県下有数の桃の産地になりました。
「犬山には桃太郎神社もあるので、ぴったりだと思いまして…」。
最初は桃の羊羹を作ろうと思って、桃を水と砂糖で煮て煮汁(一番蜜)に漬けておいたところ、
その桃があまりにも美味しく、それを食べた人々の間で評判になったとか。
それをお客さんに提供できないかと考えて生まれたのが「桃酔果」。
「一鍋で400個ぐらいの桃を煮ます。
その中で、形や色などを吟味して桃酔果にするのが6割ほどですね」。
残りは羊羹やジャムなどに使うそうです。 「桃酔果」は桃だけの単品と、
五穀豊穣を願ってそえた5色のゼリーと塩漬けの桃の葉入りのセットがあります。
桃を使ったお菓子は「桃酔果」だけでなくほかにも「桃羊羹」(黒煉り1棹 1,260円・白練り1棹 1,050円)や、桃の果肉と小豆を煉り込んで焼き上げた「有楽窓」(8個入660円・16個入1,260円)などがあります。「有楽窓」は、犬山の観光名所の一つ「庭園・有楽苑」内にある国宝の茶室「如庵」の窓を表現したという焼き菓子。どちらも季節問わずに販売しているので、ぜひ、お土産にどうぞ。
(田中マリ子)
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住所 | 〒484-0084 愛知県犬山市字南古券186番地 |
アクセス | 名鉄犬山線犬山口駅から徒歩5分 |
TEL&FAX |
TEL:0568-61-1001 FAX:0568-61-0970 |
URL | 若松屋阡壱 |
営業時間 | 9:00〜18:00(日曜は17:00まで) |
定休日 | 年中無休 |
2012年9月18日現在の情報になります。