平成6年春にオープンしたグリーンファーム。
「農家の人たちと話をしている中で、直売所がほしいという要望があったんですよ」と小林史麿会長。
そこで全く未経験ながら、たまたま休耕地だった今の場所を借りて直売所を作りました。
不便な場所にあるので本当にお客さんが来るのかと、まわりから心配されつつも、
開店してみたら出荷された野菜などが完売したと言います。
農家にとって直売所は、出荷登録さえすれば品物を置くことができ、
規格外の品物でも受け入れているため、丹精込めて作った農産物を破棄せずに済みます。
「今までトウモロコシは作った量の3割程度は破棄していたんですよ。
ここでは形が不揃いでも売れますね」と小林さん。自分で値段を付けて置き、
売り上げの20%を支払う仕組みは、農家にとってもメリットがあると言います。
一方、消費者は新鮮で安く農産物を購入できるということで、多くの人が訪れています。
「最初は地元の農産物だけ置いていたのが、出荷に訪れた農家の人たちから、
ついでに買い物もできたらという声を聞きましてね」。
そんな声に応えて必要なものを仕入れて置くうちに店舗の大きさも5倍ぐらいに。
地元で採れない野菜や果物、米、お菓子、乾物類など、日常の食卓に必要な物が手に入ります。
最初は250軒ほどの農家に呼びかけてスタートした店も、
今では店に品物を置く出荷登録者の数がおよそ2000とか。
さらに、小林さんは生産者の休耕地を農業をしたいという人に紹介する
「100坪実験農場」を展開しています。
「初めて農業をするにはちょうどいい広さなんですよ。
できた農産物はもちろん、産直市場に置くこともできます」。
これによって新たに農家が8軒誕生しました。
直売所は少量でも農産物を売ることができるとあって
高齢者の方々も農業や山菜採りなどに励むようになったとか。
「この店が高齢者の方々の生きがい作りにつながりました。
畑をやることで元気になり、病院通いも減り、おこづかいを稼ぐことができるんですから。
実はある集落のゲートボールチームはとても強かったんですが、
皆さんが練習より農作業などに力を入れるようになって成績が落ちてしまったんですよ(笑)」。
また、不要品の処分にも一役買っています。
「農家で眠っていた農機具や家庭で不要になった家具などの処分について相談を受けたので、
半信半疑で置いたところ売れましてね」。
不要だと思われていた品物が蘇るという予期せぬ結果となり、
中には昔の農機具など文化財級の道具の保存にも貢献できたと言います。
今後は地元の素材を生かして、昔、農家の人たちが食べていたような郷土料理を味わえる
農家レストランも開きたいと、小林さんの夢は膨らみます。
農家の人たちが買いにくるとあって、野菜の苗や肥料などの資材が豊富に揃っています。野菜の苗も様々な品種があって、見ているだけでも興味深いですよ。とくに春先のシーズンには、屋外、屋内のスペースいっぱいに野菜の苗が並びます。1ポットから購入できるので、家庭菜園をやってみたい人にもオススメです。
(田中マリ子)
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住所 | 〒396−0027 長野県伊那市ますみヶ丘351−7 |
アクセス | 中央自動車道伊那ICより5分 JR飯田線伊那市駅から車で15分 |
TEL&FAX | TEL:0265-74-5351 FAX:0265-74-6477 |
URL | 産直市場グリーンファーム |
メールアドレス | info@green-farm.info |
営業時間 | 8:00〜19:00 (12/31は8:00〜16:00、1/2〜1/5は10:00〜16:00、 1/6〜2/末は8:00〜18:00) |
定休日 | 年中無休(元旦のみ休み) |
駐車場 | 100台 |