豊根村の茶臼山山麓にある川宇連地区の住民が集まって、
平成18年に発足した「茶臼の里組合」。
少子高齢化にともない、人口の減少や休耕田の増加などが進み、
「このままでは地域の景観も悪くなって住めなくなるのではという危機感がありましたね」と
組合長の村井忠市さん。
自ら中心になって地域存続のために何かしようと、およそ10軒の住民とともに組合を結成しました。
手始めに農地を復活させようと、休耕田を借り、組合員による米作りからスタート。
現在は昔からの品種のチヨニシキと5年ほど前からの新品種ミネハルカ、
それにもち米を栽培しています。
「収穫した米は販売もしてきましたが、米の商品価値を高めるために加工品作りを考えていたところ、
茶臼山高原で行われる芝桜まつりへ出店しないかと話がありまして…」。
そこで、自分たちで作った米を五平餅にして販売することにしたそうです。
五平餅は奥三河では昔から各家庭で作られてきた郷土料理の一つ。
当初は串作りも自分たちで行うなど、すべて手作りにこだわっていましたが、
最近では1日400本ぐらい売れる日もあって串作りは間に合わなくなったとか。
五平餅は赤味噌とエゴマ(しょう油味)の2種類。
「芝桜まつり」のおよそ1ヶ月の期間中、休みなしで店を出しています。
ほかにもブルーベリー餅やゆず餅、草餅なども作り、近隣のイベントで販売しています。
2010年には、多くの人たちに豊根村を知ってもらおうと、
「田植え体験」のイベントを行いました。
さらに2011年には「田んぼオーナー制度」を発足。
オーナーは一区画3万円の料金を支払い、田植え、草取り、稲刈り、収穫祭に参加して、
収穫した米を受け取るという仕組みです。
初年度は20組の募集に対して先着25組を受け入れて実施しました。
学童クラブや小学生のお子さんがいる家族、仕事をリタイアした夫婦など、老若男女が参加。
組合員の皆さんによる手助けやアドバイスを受けながら米作りを楽しんだそうです。
「都会から来た人と地元の人が一緒になって米作りに取り組むことで、
少しずつコミュニケーションが生まれつつありますが、さらに交流が深まればいいと思っています」。
地域の資源を生かし、土地や伝統文化を守り、
豊根村を多くの人に知ってもらうための地道な活動が続きます。
茶臼山高原の一角にある萩太郎山の頂上付近に広がる「芝桜の丘」は、愛知県でいちばん高いところにある花畑とのこと。赤、白、ピンク、紫など約40万株の芝桜が咲き誇る様子は圧巻です。茶臼の里組合の五平餅はもちろん、地元の名産も並んで、お楽しみもいっぱい!ぜひ、お出かけください。
(田中マリ子)
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■芝桜まつり
【開催期間】2012年5月12日(土)〜6月10日(日)
【お問い合わせ先】TEL 0536-87-2070(テレホン案内)・0536-87-2345(とよね観光)
住所 | 〒449-0403 愛知県北設楽郡豊根村下黒川字蕨平2(豊根村役場) |
アクセス |
名古屋ICから猿投グリーンロード・国道153号等経由約2時間 JR飯田線東栄駅からバス15分本郷乗り換え40分 |
TEL&FAX | TEL:0536-85-1311(豊根村役場) |
URL | 豊根村観光協会 |
2012年3月26日現在の情報になります。