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「青じそ加工研究会」シリーズvol.7 洋(ドイツ)の製法と和のテイストが見事に融合。「和広産業 株式会社」の「青じそソーセージ&フランクフルト」。
2012.04.05 更新

肉の卸業者だった和広産業(株)がドイツ・マイスターの資格をもつウーヴェ・ケスラー氏からハム・ソーセージの伝統的な製法を伝授されたのは、今から20年ほど前のこと。
以来、本場ドイツの味と手づくりの精神を受け継いできました。
豚肉は愛知県三河産のみを使用し、環境・飼料などの飼育方法にこだわった信頼のおけるファームから仕入れています。
さらに、添加物の使用を最低限におさえ、防腐剤や増量剤などは使わないこだわりのハム・ソーセージは、安心でおいしいと評判です。

和広産業(株)専務取締役 谷口友康さん

最初の試作品はさんざんでした。

「会社のビジョン、商品の企画やブランディングなど、
いろいろ勉強したり、挑戦していきたいという気持ちがあったのと、
他業種の方々と交流を深めたいという思いから、
青じそ加工研究会への参加を決めました」という和広産業(株)専務取締役の谷口友康さん。
初めての試作品の評価はさんざんだったそうです。
もともとハーブ入りのウインナーをつくっていたので、
工程はそのままで、ハーブの替わりに青じそを入れました。
試食会では「青じその香りがしない」「見た目も青じそが入っているか分からない」
「油っぽい」など、厳しい言葉が相次いだといいます。

これではいけないと、第2弾は知恵を絞りました。
粗挽きではなく、細挽きでいこう。
色はどうやって出すのか?どういう工程で、どう混ぜようか?
工場長と相談しながら何度も失敗を重ね、2ヶ月かけてようやく完成させました。
その2度目の試作品は「前回とは見た目が全然違う」「青じその風味を感じる」
「油っぽさも抑えられ、あっさりとさわやかな味わい」など、
前作とはうって変わり、高評価を得ることができました。

こだわりの地元ブランド豚を使用。

現在は肉にもこだわり、地元のブランド豚「田原ポーク」を100%使用しています。
「田原ポーク」の持ち味は上質の脂です。
その脂をさらにおいしく食べてもらうために、
ボイル用はお鍋やシチューなどに入れると、
ジューシーな肉の旨味が鍋に溶け出し料理をいっそうおいしくします。
また、グルル用はかんだ時に、プリッとした食感とともにおいしい肉汁が口の中にあふれます。
肉の挽き方やブレンドを変えて、
ボイル用(細挽きタイプ)とグリル用(粗挽きタイプ)を用意することにしました。
「お客様は買う時に必ず、焼いた方がいいか、お鍋に入れた方がいいかを聞きます。
だから用途別に商品があれば、お客様の要望に合わせることができます」と、谷口さん。
他社と違うものを、いかにつくりあげていくかが大切だといいます。
味はもちろんのこと、緑色のウインナーは他にはありません。
「青じそウインナーなら“和広”と、ご指名いただけるようなところまで突き詰めていきたいですね」

(左)脂の旨さとキメ細やかな肉質の地元ブランド肉「田原ポーク」を挽く。
(右)香辛料と砕いた氷を加えてカッターで練り、そこへ青じその生葉を投入。

(左)練りはじめの様子を確認しながら、よく混ざるように手を加える。
(右)練り具合、弾力、などを職人の手で確認し仕上げの段取りをする。

(左)カッターのスピードを上げて練りの仕上げ調整。
(右)最終段階で再度青じその生葉を入れ、青じその風味や香りを調整。

(左)仕上がり状態を「練り具合」「弾力」「香り」で最終確認。
(右)出来上がった生地をスタッファー(充填機)に入れる。

(左)プリットした食感を活かすために羊腸に詰めていく。
(右)羊腸に詰めたソーセージをスチームで蒸しあげる。

きれいな若草色が目をひく「青じそソーセージ(細挽きタイプ)」

つくる商品に妥協はしない。

以前から商品の開発はしてきましたが、既存の商品に付け加えるというのがほとんど。
つくり方を含め、0から新商品を手がけたのは初めての経験でした。
青じそ加工研究会の活動を振り返ると、必ずしも楽しいばかりではありません。
メンバーの足を引っ張らないように頭をフル回転し、追ていくことに必死だったといいます。
しかし、「今まで自分たちが思いつかなかった発想が、
他業者さんたちから出てくることが、すごい刺激になり、会社にとってもいいヒントになりました。
そして何よりも、商品に対して妥協をしないことを、1から教わったと感じています」

青じそウインナー・ソーセージは、主にイベントや物産展で販売している商品です。
今後の目標は、そのような機会に消費者の意見を直接聞いて、商品開発に活かしていくこと。
独自ブランドとして表に出せるように、
商品の質をどんどん上げていきたいと抱負を語ってくれました。

■次回は豊橋温室園芸農業共同組合・大葉部会をご紹介いたします。

編集員のココがオススメ!

和広産業では取り扱い商品以外でも、オーダーメイドでオリジナルなハム・ソーセージをつくってくれます。量り売りをメインとしているので、量もお好み次第。小規模なハンバーガーショップやレストランなどからの注文でつくることも多いとか。「あの豚のウインナーが食べたい」「こんなハムつくれますか?」など、個人の相談にも気軽に乗ってくれます。

(宮内京子)

会社情報

会社名 和広産業 株式会社
住所 【本社】
〒441 – 8113
愛知県豊橋市西幸町字笠松35-4
TEL:0532-48-6501(代)
FAX:0532-48-1932【植田工場】
〒441 – 8134
愛知県豊橋市植田町字関取32-2
TEL:0532-25-8450(代)
FAX:0532-25-8451
URL 和広産業 株式会社

2012年3月31日現在の情報になります。

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