夏は自然豊かな緑と鮮やかな空の色がどこまでも続き、冬は真っ白な雪のベールに包まれる。
そんな郡上市白鳥町石徹白(イトシロ)で「無肥料無農薬栽培」のおいしい野菜を育てているのは、
「農園サユールイトシロ」の代表・生産者の稲倉哲郎さんです。
もともとは愛知県ご出身という稲倉さん、
一体どういった経緯で現在の野菜作りに携わるようになったのでしょうか?
「以前は別の仕事をしていたのですが、漠然と何か新しいことをやってみたいという想いを持っていました。
そんな時、家内の実家がほうれん草の栽培を専業で行っていたこともあり、
農業についていろいろと教えてもらいながら、始めてみよう!という決心をしたのが、
野菜作りを始めることになったきかっけですね。」
稲倉さんが農業を始めるため、いろいろと調べている時に出会ったのが「無肥料無農薬栽培」。
「無肥料無農薬栽培」とは、肥料や農薬を使わず、その土地の環境である土や水、
そして作物が持っている本来の力のみで野菜を栽培する農法です。
実際に「無肥料無農薬栽培」で農業を行っている方の畑を見せてもらったところ、
しっかりと作物が成長しているのを見て
「これはおもしろい!これが自分のやりたかった”新しいこと“だ。」と感じたのだそう。
スタートした最初の一年は、農業の経験が無かったこともあり、
植える時期の見極めなど、なかなか上手くいかなかったそうですが、
毎年野菜と接しながら試行錯誤を繰り替えし、今年で7年目に突入。
今では全国各地に野菜を出荷する程、大きな農園となりました。
「農園サユールイトシロ」では、茄子やトマト、ピーマン、ズッキーニ、
そうめんかぼちゃといった野菜を、全部で約30種類程栽培。
野菜の成長を安定させるためビニールハウスを使って栽培をしたり、
自家採取した種を使ったりと、さまざまな工夫を取り入れています。
無肥料無農薬栽培を取り入れている稲倉さんの畑は、
肥料や堆肥など、畑の外から持ち込むものはなにも入れていません。
基本的に耕すだけ。後は雨水と太陽の光だけが降り注ぎます。
そんな自然の恵みを受けながら、作物は自分の力で育ってくれるのだそうです。
「石徹白の野菜はつやつやしていて本当に綺麗なんです!」
そう話す稲倉さんに案内して頂き、畑を見せて頂きました。
ビニールハウスの中に入り、稲倉さんが手を添えた場所を見てみると、
そこには驚くほどの大きさのズッキーニが!
「ズッキーニはとても成長の早い野菜です。
しかし、大きくなりすぎると種ができて、硬く大味になってしまうので、
形や味を揃えようと思うと、必ず毎日収穫をして回らなければならない。
それほど成長が早いんですよ。」
野菜の成長具合を見ながら、植える場所や種の種類など、
それぞれの野菜に適しているかを観察し、稲倉さんはおいしい野菜作りを追求し続けています。
稲倉さんは、仲間と一緒に「石徹白人(いとしろびと)」というwebサイトを立ち上げ、
石徹白の文化をさまざまな人たちに伝える取り組みを行っています。
webサイトの他に、「石徹白ニュース」というブログ、
また石徹白の若嫁さん達がスタートしたカフェなど、活動は多岐に渡ります。
この取材の日、稲倉さんが着ていたTシャツには大きく「石徹白人」という文字が!
「このTシャツを着て石徹白に来てもらえるよう、
お土産にしたり、離れて暮らしている子どもに贈ってもらったりしています。
『あの人も、この人も石徹白人だ!』という風になったらいいなと。」
石徹白という土地を愛する気持ちの大きさが、
稲倉さんの背中に掲げられた「石徹白人」という言葉に溢れていました。
「農園サユールイトシロ」のサユール(Sayur)とは、インドネシア・マレーシア語で「野菜」という意味。稲倉さんは昔、インドネシアにお住まいだった事があるそうで、その経験が現在の農園の名前の由来をなったのだそうです。 稲倉さんが育てたお野菜を自宅に戻り頂いてみました。しっかりとした野菜本来の味、そして水々しさに驚き!まずは是非、野菜を生のまま味わってみてください。「農園サユールイトシロ」の野菜は、インターネットにて購入できます。「野菜BOX」や、ミニトマトの「アイコBOX」、「枝豆BOX」など種類も豊富。2011年は8月より予約を受け付けていますので、公式サイトにてチェックしてみて。 (神戸夕香)
|
農園名 | 農園サユールイトシロ |
住所 | 〒501-5231 岐阜県郡上市白鳥町石徹白69-25 |
TEL&FAX | 0575-86-3559 |
URL |
公式サイト:サユールイトシロ・エキスプレス- Sayur Itoshiro Express – 野菜の購入はこちら:農園サユールイトシロ WEBショップ 石徹白人webサイト:石徹白区 公式ホームページ 石徹白人ブログ:石徹白ニュース |
2011年7月15日現在の情報になります。