今回訪ねたのは、こめ油発祥の地・桑名でこめ油を製造販売している「油清」です。
1798年(文化2年)から桑名の地で油業を営んでおり、
オイルショックのあおりをうけ一度は油を絞ることをやめてしまったそうですが、
古くから油清を知るお客様から「桑名発祥のこめ油の取扱いをして欲しい」という要望を強く受け、
業者さんと共に桑名からもっとこめ油を広めたいという強い想いの元、
こめ油のプライベートブランドを立ち上げたとのことです。
「昔から糠(ぬか)は、木綿の袋にをいれて床を磨いたりと磨き油として使用されていましたが、
元禄12年に桑名に住む一軒の油屋さんが、紙の上に落ちた糠が油のしみを作ったのを見て、
糠から油を絞ることを思いつきました。それが桑名のこめ油のはじまりです。」
原材料となる玄米からこめ油の原料となる糠が少量しか生成できないため、
常に量を確保できるよう全国各地のお米から採れた糠を使用、
中には地元産のお米から採れた糠も使用しているのだそう。
また、糠は24時間以内に原油にしないと酸化して品質が悪くなってしまうという特性があるため、
輸入は一切できないとのこと。海外生産は行わず、安全な国内生産を続けているということも
「プレミアムオイル」として愛される桑名のこめ油の魅力の一つとなっています。
「ビタミンEや食物繊維である植物ステロールが豊富です。
加熱安定性にも優れていて、揚げ物をしている最中も油臭さがあまり気になりませんよ。」
天ぷらなどの揚げ物に使用すると、香ばしくカラッと揚がり、
冷めてもベタつきが少なく、美味しさが長持ち。
さらに食べても胸焼けが少ないので、胃の弱い方に最適です。
また、べたつかないため楽に片付けができることから、調理師さんにも評判なのだそう。
地元の桑名市・四日市市・亀山市、また東京の一部地域での学校給食油としても使われるほど、
健康面で安心して使用することができる、とても優れた油なのです。
炒め物や揚げ物、焼き物などに使うことが多い油ですが、
意外な使い方で料理をもっと美味しくすることができます。
例えば、ご飯。こめ油を炊飯時に適量たらすと艶がでて新米のようになり、
さらにこめ油に含まれている玄米の成分によって、玄米の栄養を摂取することができます。
また、お味噌汁や冷奴に入れることでコクと健康効果がアップし、
おひたし等にかけることで野菜を普通に食べるだけでは摂取しにくい脂溶性ビタミンが
油に溶けて摂取しやすくなるのだそう。
ドレッシング等に使用しても、サラサラして口当たりが良いとのこと。
さまざまな使い道を持つこめ油によって、これまで食べてきた料理とは一味違った
新しい感覚を味わうことができそうです。
「輸入に頼っている現状の日本で、もっと地産地消というものを意識して
各地域が活性化していくと地域の発展にもつながっていくのだと思います。」と近藤さん。
まだまだ量が少なく100%地産地消とはいかないけれど、
お米の消費量を増やして、もっと地元産のこめ油の生産量を
増やすことができればと考えているそうです。
桑名発祥のこめ油を守り、全国へ広め、地域の活性化にもつなげようとする近藤さん、
そして地域の多くの方の気持ちがこのこめ油には込められているのです。
取材当日、実際にこめ油の試食をさせていただきました。「パンに直接塗って食べてみてください。」と近藤さん、意外な食べ方に驚きながら実際に試食してみると・・すごくさっぱり・サラサラ!想像していた油のイメージとは全く違うものでした。こめ油を食パンなどに直接塗り、塩をふってトーストしても美味しいのだそうです。また、こめ油を実際に使って調理してみたのですが、ごはんはふっくらとした仕上がりに、炒め物や揚げ物は脂っこさがなく、普段使っている油との違いをしっかりと感じることができました。油っぽさが苦手な方に是非使ってもらいたいですね。こめ油は三重県のスーパーサンシさん、名古屋の星が丘三越さんの地下売り場、また「油清」のホームページから通販にて購入することができますよ。
(神戸夕香)
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住所〒511-0822 三重県桑名市馬道1-31
店舗名 | 油清 |
TEL/FAX | TEL:0594-22-4451 FAX:0594-23-4434 |
absay@komeabura.com | |
URL | 米油 桑名のこめ油 油清 |
2010年9月10日現在の情報になります。