三重県の鈴鹿市漁業協同組合が昨年(2009年)4月に開いた鮮魚直売所「魚魚鈴(ととりん)」。
地元であがった新鮮な魚介類が豊富にならび、値段も手ごろとあって連日多くのお客でにぎわっています。
近鉄「白子駅」から歩くこと約10分。
白子漁港に向かって歩いていくと、港のすぐそばにある「魚魚鈴」が見えてきます。
三重県内でも有数の水揚げを誇る白子漁港。
とれたばかりのたくさんの魚と出会えることを期待して、さっそくお店をのぞいてみました。
訪れたのが日曜日とあって、店の前には多くの客が列をつくり、ドアが開くのを待ち構えています。
9時半のオープンと同時に客はいっせいに店のなかへ。
ショーケースにならぶ、見るからに新鮮な魚を手にとり、
気に入ったものを次々と買い物カゴのなかへと入れていきます。
広い店内では、地元の白子漁港であがった魚介類を中心に、
活きた魚や貝からパックにした切り身まで、たくさんの商品が販売されています。
干物や海苔、チリメン、かつお節などの加工品もあり、どれを買おうか迷ってしまいそうなほど。
押し寄せる客の対応で店員のみなさんは大忙し。
オープン後も客足は途絶えることがなく、売り場は熱気であふれかえります。
「魚魚鈴」を運営する鈴鹿市漁協では、
20年ほど前から地元でとれた魚を一般に直接販売していましたが、
店が手狭なこともあり、「魚食普及」と「地産地消」にさらに力を入れようということで
昨年、新たに「魚魚鈴」をオープンしました。
直販所では、漁協と漁師の永田さんが営む
鮮魚直営店「永田水産」がそれぞれブースをもち、営業しています。
「朝の1時間半にお客さんは集中します。週末は多いときで1日450人以上が来ますよ」と、
大勢のお客でごった返すなかで話してくれたのは漁協の部長・水谷達明さん。
人気のワケを尋ねると、「鮮度のいい魚が安い値段でそろっていること」をポイントにあげます。
オープン当初は売れ残ることがあったカタクチイワシも、いまではたくさん売れるようになり、
「ファンが増えました」と笑顔で消費拡大の手ごたえを話します。
いまの時期にとれる人気の魚介類はシラスとワタリガニ。シラスは加工したチリメンのほか、
新鮮でなければ食べることができない生のものも販売されていて、売れ行きも好調とのこと。
ワタリガニは茹でて食べるとおいしいそうです。
地元の客にしか食べられることのなかったいろんな種類の魚も、
今ではその美味しさを知った一般客のファンが着実に増えて、人気を呼んでいます。
定置網やノリ養殖、アサリ漁などを行っている漁師の永田浩吉さん。
直販所がリニューアルするのを機に鮮魚直販店「永田水産」を立ち上げて出店。
定置網でとれた魚を毎日、販売しています。
「新鮮な魚をお客に提供したいです」と、たくさんの魚を前にして笑顔で話す永田さん。
市場が休みの日でも、漁でとれた魚は「魚魚鈴」で販売してお客に食べてもらえる。
これまで流通に乗らなかったような魚も、おいしい食べ方を提案することで喜んで買ってもらえることから、
「魚食普及」と「消費拡大」に大きな手ごたえを感じているようです。
「魚魚鈴」で購入した魚は、頼めば無料でウロコや内臓の除去のほか、3枚にもおろしてくれます。
一般の公募で今年(2010年)3月に決まった「魚魚鈴」の愛称は、
「魚」と鈴鹿の「鈴」から名づけられたそう。
市民に親しまれる鮮魚の直売所として、これからさらに人気を集めそうです。
多くの客が入り口にならび、開店と同時に一斉に店内に押し寄せる。そんな光景に圧倒されてしまいました。売り場には、スーパーでは見ることのできないたくさんの種類の魚が販売されていて、どれもが見るからに新鮮そのもの。パックにした切り身の魚や干物などの加工品もあって、品揃えも豊富です。新鮮で安くてうまい。ここに来れば、きっと食べたいと思う魚が見つかるはずです。売り場の一角には、「水産学習展示場」もあって、伊勢湾でとれる魚介類の資料や漁具、漁港のパネルなども展示されています。ぜひ足を運んでみてください。
(新美貴資)
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住所 | 三重県鈴鹿市白子1丁目6277-3(白子漁港内) |
アクセス | 近鉄「白子駅」から徒歩約10分 |
TEL/FAX | TEL:059-380-5500 |
営業時間 | 9:30〜15:00まで |
定休日 | 毎週水曜日 |
駐車場 | あり |
2010年7月25日現在の情報になります。