皆さん、“すんき”をご存知ですか? 「なにそれ? はじめて耳にした」という方が大半でしょう。私もそうでした。すんきとは、カブの葉や茎を、塩を使わず乳酸菌だけで漬けた漬物で、木曽地域では秋の終わりから必ず食卓に上がるという、昔からの郷土食です。
ここ木曽町漬物加工所では、近隣農家が作る開田カブを使用しています。8月半ばに種蒔きし、初秋から11月末にかけて収穫。寒くなるまで畑に置いておくと葉に甘味が出、霜が降るといっそう甘味が増すそうです。
さて、その作り方ですが、カブ菜を洗って湯通しし(長いままでも刻んでもOK)、桶に入れて冷まし、種を加えます。その上に、冷ましたゆで汁を加えて蓋をすれば完了。加工所の桶は大型ですから、漬け込み期間は約3週間。一般家庭では一夜保温するだけで出来上がりだそうです。ここでは10月から順に、ひと秋におよそ5トンのカブを漬けるといいます。
種には通常、前年のすんきを乾燥させたすんき干しや、前年のすんきを冷凍したもの、また前年のすんきの汁を冷蔵したものなどを使用。いいすんきを数回繰り返し作ると乳酸菌の活性が高まるそうで、このようなすんきを種として用いれば、間違いなくいいすんきができるそう。
健康にも美容にもいい、優れモノのすんき!ぜひ取り寄せて漬物として、また当サイトのレシピコーナー(5品とも、折り紙つきの絶品でした!)を参考に、腕をふるって味わってみられてはいかがでしょう?
上の写真:一株漬けの大(500g)が650円、小(300g)が470円(いずれも税別)
「昔は冬の保存食で、こればかり食べていた」と話すのは、事務局長の中村文雄さん。ハツラツとしてさすがに健康そのものです。食べ方はバラエティーに富んでいて、『すんきそば』は、冬の蕎麦処のおすすめ限定商品。また、酔いが醒めるからと翌朝のみそ汁に入れるのは、木曽の殿方の定番だそう。
(浜村 良子)
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住所 | 木曽町開田高原西野6321-1211 |
TEL / FAX | 0264-46-2011 |
2009年12月26日現在の情報になります。