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手作りのネット番組で町を元気に。
「ヨロスト」の取り組み
2017.02.02 更新

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岐阜県養老郡養老町で、町の若返りと活性化を目指し活動する「NPO法人ヨロスト」。インターネット番組「Yoro Stream(ヨロスト)」で町の情報を発信するほか、豊かな自然や文化史跡を利用したイベントを開催するなど、様々な活動を行っています。自主制作のネット番組による町おこしは全国的にも珍しく、注目を集める彼らの活動について紹介します。

町おこしのためのインターネット番組

親孝行の孝子伝説で有名な史跡「養老の滝」や、芸術家・荒川修作が手がけた「養老天命反転地」で知られる養老町。自然豊かなこの町にはJR大垣駅から養老鉄道に乗り、約20分で到着します。
養老駅の構内にあるヨロストのスタジオで、NPO法人ヨロストの理事であり、番組プロデューサーの吉田圭吾さんにお話を伺いました。

吉田さんは養老町で育ち、webディレクターとしてこの町を拠点に活動中。以前岐阜市で、動画共有サイト「Ustream(ユーストリーム)」の番組MCを経験したことをきっかけに、町おこしのインターネット番組をやってみようと思い立ったのだそう。インターネット経由で誰でも動画の配信と視聴を楽しめる、ストリーミング放送に魅力と可能性を感じたといいます。
2012年5月、町の有志が集まり、自主制作のネット番組「ヨロスト」をスタート。翌2013年からはNPO団体となり、活動を行っています。
参加メンバーのほとんどが養老町の出身や在住。「人口が減って活気の無くなりつつある町を元気にしたい、生まれ育った町に恩返しをしたいという地元愛から集まった仲間たちです」と吉田さん。

現在、番組の放送は毎月2回。UstreamやYouTube Live(※)を通じた1時間のライブ配信を行っています。これまでの配信回数は172回、視聴者数の合計は31,000人を超えています。
高齢者など、ネット環境がない人にも観てもらえるよう、町内のテーブルテレビ局の協力を得て、オンエアした番組の録画を毎週末の夜、ケーブルテレビで放送しています(放送は養老町内のみ)。
※共にインターネットを通じたライブ配信サービス。パソコンやスマートフォンなどで視聴できます。

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ネット番組「ヨロスト」配信中の様子。この日のMCは吉田さんと、ヨロスト代表理事の竹内蘭さん。毎月第1および第3水曜日の21時〜22時に生放送を行っています。スタジオの向こうは駅のホームが見えます

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ヨロスト理事の吉田さん

手作り番組で町の魅力を発信

番組では町のニュースや地域で行われるイベントなどの情報を、MCのおしゃべりを交えながら楽しく発信しています。町の人がゲストとして出演したり、イベントの様子を撮影して紹介するなど、内容は毎回バラエティ豊か。
番組で取り上げるネタはすべて自分たちで集めたもので、収録や編集はもちろん、カメラやケーブルなどの機材も全部自前なのだそう。メンバーにはテレビの報道カメラマン経験者もおり、制作に必要なスキルと道具が揃っていることも、ヨロストの強みだといいます。

放送中はツイッターと連携しており、視聴者から寄せられるコメントにMCがその場で返答するなど、視聴者と配信者の交流を見られるのも楽しい。 
制作・技術担当ディレクターの川瀬長生さんも、「番組中に視聴者からコメントが届くので、観ている人とのコミュニケーションに重きを置いています。時には視聴者のコメントに教えられることもありますよ。手軽に情報の受発信ができるのは、ライブ配信ならではの魅力ですね」と話します。
姉妹番組として地域の高校生が作るネット番組「High School Yeah!」があり、そのサポートも行っています。

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制作・技術担当ディレクターの川瀬さん。以前、テレビ番組制作会社の報道カメラマンとして働いた経験を生かし、ロケーション撮影も担当しています

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機材はメンバーが持ち寄ったものが中心ですが、活動に賛同してくれた町の人たちからの寄贈品にも支えられているそう

住んでいる人が誇りを持てる町づくりを

ヨロストの活動を支えているのは、「養老町内外の人たちに、町の情報と魅力を発信し、交流の場を創り出したい」という思い。ネット番組の他に、養老駅舎を活用したビアガーデンや高校生による朝市を開催するなど、様々なイベントの企画運営を行っており、毎回たくさんの参加者を集めています。
 
町の名産「ひょうたん」をもっと広めたいと、ひょうたん文化の活性化事業にも力を入れています。代表理事の竹内蘭さんに、この取り組みについて伺いました。
「私は養老町の中でも、ひょうたん栽培の盛んな地域で生まれ育ちました。仕事で一度養老を離れたのですが、帰ってきた時にひょうたんは売れなくなっていて、町のシンボルを守ってきた生産者の方たちが、ひょうたん作りに誇りを持てなくなっていました。その状況にどうしても納得がいかなくて、なんとか恩返しをしたいと思ったんです」。
町のシンボルであるひょうたんの魅力を、まずは地域の子供たちに知ってもらいたい。その思いから、町内の幼稚園や小学校でひょうたんに関するお話会や、ひょうたんの種を配布して子供達と育て、収穫したひょうたんでランプを作るワークショップを開催しています。「小さいうちからひょうたんに親しんでもらう早期教育ということで、〝早期ひょう育〟と呼んでいます(笑)」と竹内さん。

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町の幼稚園でひょうたんランプづくりを開催(写真提供/NPO法人ヨロスト)

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代表理事の竹内さん。ヨロストの人気MCであり、ひょうたんで作品を創作するアーティストとしても活動中

竹内さんと吉田さんに、これからの目標を聞きました。
「ヨロストやひょうたんを入り口に、養老の町に興味を持ってくれる人を増やしていきたいですね。〝自分の町、養老が好き〟と言える人を増やしていくことが一番の目標。町づくりって、たった一人の意識が変わるだけでもいい。そこから変化が生まれていくと思うから」(竹内さん)。

「活動を始めた時からの思いでもあるのですが、地域の10代、20代という若い世代に、自分たちの思いや技術を伝えて後継者を育てていきたいですね。地域活性化は繋げて続けていくことが大事だと思うので。個人的な目標としては、口を出さずにお金を出して若い世代を見守る、カッコいい大人になりたいですね(笑)」(吉田さん)。

「自分の住む町が好き」と言える人、その思いを伝えられる人を増やしていくこと。シンプルだけれど、それが地域活性化の大切なベースであることを、ヨロストの取り組みは示しているように思います。

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一昨年のゴールデンウィークに、養老駅の構内で開催した「高校生朝市」。岐阜県西濃地方の商業高校の生徒たちが、オリジナルスイーツや地域の名産品などを販売しました(写真提供/NPO法人ヨロスト)

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一昨年のお盆に、駅舎前で「ビアステーション」と名付けたビアガーデンイベントを開催。養老鉄道を利用して遠方から訪れるお客さんも多く、大成功に終わりました(写真提供/NPO法人ヨロスト)

◎インターネット番組「ヨロスト」の視聴方法は→こちら

2017年1月10日、18日取材時の情報です。
ライター:梅田美穂

お問い合わせ
施設名 NPO法人ヨロスト
住所 岐阜県養老郡養老町鷲巣1200 養老鉄道養老駅内
TEL 0584-76-5180 (9:00~17:00)
営業時間
定休日
E-mail office@yorostream.com
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