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移住したい思いと地域をつなぐ 「Classca gifu」
2016.09.28 更新

クラスカ記事トップこの数年、都市から地方への移住を希望する人が増えています。それに伴い、地方自治体でも移住や交流の促進に関する様々な取り組みを行っています。今回は、岐阜県の取り組みに注目しました。

岐阜で暮らすかのような体験を

地方に移住したい、田舎暮らしがしたいと考えた時、ネットで調べたり、自治体などが主催する説明会を利用したりと、まずは情報を集めることから始めることでしょう。
実際にその地域での暮らしを知りたい、触れてみたいと思う人に向けて、岐阜県では「Classca gifu(クラスカ ギフ)」という取り組みを行っています。
岐阜県庁を訪れ、清流の国づくり政策課の野田由利子さんにお話を伺いました。

「近年、岐阜県では『清流の国ぎふ暮らし』をキーワードに、県内への移住定住者の受け入れに力を入れており、相談窓口の設置やセミナーの開催など、様々な取り組みを行っています。そのひとつがClassca gifuです。県内各地で開催する移住交流体験プログラムを紹介するもので、ウェブと冊子を使った情報発信の取り組みです」。

ウェブサイトと冊子では、米づくり、古民家リフォーム、田舎暮らし体験ツアーなど、岐阜県内での田舎暮らしを体験して、身近に感じることができるプログラムが50近く紹介されています。
主催者は市町村(自治体)や地域の人たちで、参加者は彼らと交流しながら、そこでの暮らしを体験することができる仕組み。
Classca gifuのテーマは、「岐阜で暮らすかのような体験をする」。その名前の由来にもなっています。

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冊子「岐阜県移住体験カタログ Classca gifu」。飛騨、中濃、東濃、岐阜、西濃の県内5地域で行われるさまざまな体験プログラムを紹介しています

Q&A

空き家を参加者みんなでリノベーションしてシェアハウスを作るプログラム。昨年、白川村で地域おこし協力隊やNPO、白川村役場が協働で開催(写真提供/白川村地域おこし協力隊)

「以前から県内各地で、そうした地域の暮らしを体験する、移住相談・支援プログラムが行われていました。そのほとんどは地域住民が自ら企画運営し、情報発信も自分たちで行っています。せっかくあちこちで魅力ある取り組みが行なわれているのだから、がんばっている市町村や団体を応援していきたい、県一体となって岐阜への移住定住に関する情報発信をしていこうというのが、Classca gifuです」。

移住をすることは、新しい生活を始めること。仕事、住まい、子育てや暮らしの環境など、知りたいことや不安はたくさんあります。自治体による移住推進セミナーの多くは都市部で行われますが、そうした説明会に参加して話を聞くだけでなく、Classca gifuのように、実際に現地に行ってそこでの暮らしを体験することで、移住へのイメージや心構え、準備すべきことが具体的に見えてきます。地域の人たちと交流できるのも魅力です。

「農業がしたい、自然の中で子育てがしたいなど、移住の目的は人それぞれ。岐阜県は広く、地域により様々な特徴があるので、気候風土などが異なる5つの地域に分けて紹介しています。目的や気になる地域を選んで、Classca gifuの体験プログラムに参加し、移住をじっくり考える。そういった入り口として利用していただければと思います」と野田さん。

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お話を伺った、岐阜県清流の国推進部 清流の国づくり政策課の野田由利子さん

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県政の基本政策を立案するとともに、地方創生、まちづくり支援、移住定住に関すること、地域振興事業など地域づくりに関する部署が「清流の国づくり政策課」。岐阜県の「清流の国づくり」マスコットキャラクター、ミナモもここの所属です

地域のファンをつくる

岐阜県から委託を受けてClassca gifuの企画と運営を担うのは岐阜市のNPO法人ORGAN。長良川流域をキーワードに、体験交流プログラム「長良川おんぱく」を主催するなど、岐阜の観光まちづくりに取り組んでいます。
ORGANのメンバーで、Classca gifu事務局担当の吉田枝里子さんにお話を伺いました。

「昨年、Classca gifuを始めるにあたり、県内5カ所で説明会を行いました。各地で移住支援の体験プログラムを行う団体に声をかけて参加してもらい、活動状況やプログラム内容など情報を収集。さらに、各地域の風土や暮らしぶり、移住者の声も紹介したかったので、取材を行いました。それらを冊子とホームページという形に整え、情報発信を行っています。体験プログラムに参加したい方は、ホームページから申し込むことができます」。

出来上がった冊子とホームページは、見やすくわかりやすいと評判になり、昨年発行した冊子は、1万部の在庫がすぐに無くなったほど。

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県内各地で行ったClassca gifuに関する説明会の様子(写真提供/NPO法人ORGAN)

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Classca gifu事務局の吉田枝里子さん(左)と野田さん

「私は県内の各務原市で生まれ育ち、もともと岐阜の田舎暮らしに興味があったのですが、Classca gifuに関わって初めて知る地域や取り組みがあって、魅力的な人もたくさんいて、岐阜っていいなあと改めて思いました。体験プログラムを作っているのは、移住してきた人が多いですね。よそから来て、ここにはいいところがいっぱいあるから、自分が見つけた魅力を発信していきたいという思いから取り組んでいると聞きます。実際に移住してきた人が言うと、リアリティもありますよね」と吉田さん。

この冊子を見ていると、岐阜の豊かな自然の中での暮らしがイメージできたり、そこに住む地域の人々の魅力が伝わってきて、現地に行ってプログラムを体験してみたくなります。

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田植え、稲刈り、わらじ草履作りなど、米作りを通してのイベントを年間で行うプログラム。郡上市和良町で開催(写真提供/NPO法人ORGAN)

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古い街並みを歩いて実際に入居者募集している空き家などを見学し、移住した人や地元の人と交流するプログラム(写真提供/郡上八幡振興公社 チームまちや)

「バラエティ豊かな体験プログラムが揃っているので、まずはいろいろ足を運んで参加してみてください。地域と実際に交流することで、そことの相性、自分の夢や目標、理想が見えてくると思います」と吉田さん。
「Classca gifuの目的のひとつは、地域のファンを作ること。ファンになった人が、移住につながるのが理想です。プログラムを主催する地域の人たちからも、『いきなり引っ越してこられるより、顔なじみになってからだと安心』という声を聞きますよ」。

岐阜県庁の野田さんも、「Classca gifuは岐阜県へ移住したいと思う人の、はじめの一歩のお手伝いだと考えています」と話します。
「ただ来てくれればいいわけでなく、地域に馴染んで定住してほしいので、岐阜県で暮らすことのいいところも悪いところも、きちんと伝える。そういうていねいな情報の発信を、これからも行っていきたいですね」。

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岐阜県移住定住ガイドブック「清流の国ぎふの暮らし」(発行:岐阜県)。岐阜県への移住を考える人はこちらもぜひ。岐阜で暮らすまでのステップ、仕事や住まいに関する情報、移住者の声などを詳しく掲載しています※ 冊子「岐阜県移住体験カタログ Classca gifu」は、移住総合相談窓口「清流の国ぎふ移住・交流センター」(東京、名古屋、大阪)、県東京事務所、県が毎月開催する都市部での移住セミナーなどで配布しています。

※ 送付希望者は、NPO法人ORGANまでお問い合わせください(電話/058-269-3858 または メール/info@onpaku.asia)。

2016年8月31日当時の情報です。
ライター:梅田美穂

お問い合わせ
施設名 岐阜県清流の国づくり政策課 移住定住まちづくり室
住所 岐阜県岐阜市薮田南2-1
TEL 058-272-8078
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