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水を極限まで減らし
甘みを凝縮させて栽培
2016.08.12 更新

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知多半島の温暖な気候を利用しつつ、ハウス内の温度を調整して作られるハウスみかん。甘さが際立つ「みはまっこ」や、ほどよい酸味の「さわみっこ」は、夏に出回るみかんとして希少価値が高く、市場でも高い評価を受けています。
「みはまっこ」の栽培について、「あいち知多かんきつ出荷組合」の副組合長で栽培農家の神谷英明さんにお話を伺いました。

先代からハウスみかんを栽培

神谷さんのお父さんは、美浜町で最初にハウスみかん栽培を始めた農家5人のうちの一人です。
今は3棟のハウスでみかん栽培をしているそうで、ハウスに入ると一列にきれいにみかんの木が植えられています。「並木植えというのですが、木と木の間隔は枝が傷つけあわない程度に狭くしていますが、手入れや収穫作業を考え、通路は広めにとっています」。幹は直径20センチぐらいですが、枝が大きく広がっています。
1棟のハウスに、およそ120本から130本の木が植えられ、約5トンの「みはまっこ」が収穫できると言います。

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収穫の時期を迎えたハウス

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みかんの木は成長に合わせて抜いたりしながら間隔を調整します

みはまっこの甘さの秘訣

土壌は、砂混じりで適度な保水性があります。そうした環境の中、みかんの生育にあわせて水の量をコントロールします。
「実が直径30ミリぐらいになるまでは週1回程度の水やりをしますが、その後は中間水切りといって、水やりを止めます。およそ1か月近く、木の状態を見ながら水を切ることで木にストレスがかかり、糖度が高くなるんです」。
糖度が8度ぐらいになったところで、徐々に水を与える戻し灌水を行います。「このときの水の量が重要です。いきなり水を与えすぎると中の実だけが急に大きくなり、うすくなっている外の皮が破れやすくなるので注意が必要です。また、水分が多すぎると、浮き皮といって、皮と実の間に隙間ができてしまいます」。
収穫に向けて酸を抜きつつ甘みをあげていき、果皮の色が全体にオレンジ色になれば収穫します。「1棟のハウスのみかんは2週間ほどで収穫を終えます」。

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収穫時期を迎えた「みはまっこ」

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色を見ながら一つひとつ、ていねいにミカンの収穫をする神谷さん

収穫後の管理がとても大事

収穫が終わるとすぐに剪定し、肥料を与えます。「次のシーズンに向けては早めに剪定をした方がいいのですが、美味しいみかんを出荷するにはぎりぎりまで木で成熟させた方がいいので剪定が遅くなります。その兼ね合いが難しいですね」と神谷さん。
12月の初旬にはハウスに暖房を入れる加温を行います。夜は23~24度まで温度を上げます。加温をしても必ず花が満開になるとは限らず、花の付き方で収穫が左右されると言います。
実がなり始める2月は、摘果作業の時期です。実が親指の頭ほどになったころをみはからって摘果し、1つの芽(枝の先端)に1~2個の実が付くようにします。
3月から4月にかけては、実を付けた枝が折れたりしないように、枝つりを行います。その後は水やりに気を付けながら実が大きくなるのを待ちます。

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収穫を終えたみかんの木

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収穫後、新芽が出てきたみかんの木

2016年7月27日取材時の情報です。
ライター:田中マリ子

お問い合わせ
施設名 あいち知多かんきつ出荷組合
住所 愛知県知多郡美浜町北方字阿嶽100-1
TEL 0569-82-0554
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