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良好な気候風土が育む
美味しいスイカ
2014.08.20 更新

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愛知県では、豊田市は田原市、豊橋市に次ぐスイカの産地です。 現在、JAあいち豊田猿投西瓜部会に所属する5戸の農家が、御船町・上原町・亀首町を中心にした総面積約5ヘクタールの畑で、「祭りばやし777(スリーセブン)」という品種のスイカを栽培しています。
部会長の梅村賢次さんにお話を伺いました。

競合の少ない時期にスイカを出荷

祭りばやし777の出荷は6月初旬から始まり、7月初旬までがピークです。
畑を一畝(うね)ごと、ビニールで覆ったトンネル栽培で育てることで、露地栽培のスイカより1ヶ月半ほど早く収穫できます。
豊田の出荷時期は、全国的なスイカ産地の合間にあたります。
生産量トップの熊本県は最も早く5月初旬にピークを迎え、近隣の産地である長野県は7月中旬頃から出荷が始まるため、競合が少ないと言います。
出荷量は、多いときで1日1000ケース、およそ2000個になります。 スイカ栽培はおよそ半年で終わり、収穫を終えた畑では秋から冬に向けて別の作物を育てます。梅村さんの畑も12月まで白菜を栽培します。

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収穫が終わったあとの畑。「畑を片付けるのは、ちょうど7月の暑い盛りになるので、なかなか大変です」と梅村さん

人とミツバチの共同作業

「スイカを栽培するには、土と温度が重要です。幸いにもこの辺りの土壌は、赤土で水はけがよく、気候も適度な寒暖差があり、スイカ栽培には向いていますね」と梅村さん。
1月には種をまき、ハウスで苗木を育てます。3月から4月にかけて葉が4枚ぐらいに育ったら、収穫時期が重ならないように日にちをずらして畑に植えていきます。
4月終わりの授粉作業では、ビニールのトンネル内に交配用のミツバチを一斉に放します。
「授粉作業はミツバチ任せですが、授粉するまでとその後の温度管理が重要で、最も気を使うところです。とくに交配時期は温度が低すぎると花粉が出ませんので。
温度調整は機械に頼らず、ビニールを開けたり閉めたりしながら行います。寒すぎると葉が黄色くなり、暑すぎると枯れてしまいます」と梅村さん。
スイカ栽培はすべてが手作業のため、面積を増やせないのが悩みだと言います。

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トンネル栽培の様子(部会員の畑)

開花期から日にちを数えて収穫

スイカは1つの苗から2個の実をならせるように、4本だけツルを残し、他は切ってしまいます。同時に栄養分が実に届くようにわき芽をとる芽かきも重要な作業です。
「収穫は、花が咲いてから45日から48日が目安です。花が咲いたときにツルにクレヨンで印をつけ、色と日にちを記録することで日数は正確にわかります。50年以上スイカ栽培をしている人でも、見た目では収穫時期はわからないんですよ」。
糖度が高く、シャリシャリした食感が祭りばやし777の特徴。収穫が早すぎると青くささが強く糖度も低いスイカに、逆に遅すぎるとシャリシャリ感がなくなると言います。
「収穫したら一晩、集荷場で寝かせます。傷口があると腐りのもとになるのですが、一晩置くことで判別がしやすくなります。傷や空洞化の有無など、一つひとつ手に取って調べ、ランクごとにわけて出荷します」。
上から「秀」「優」「良」のランクにわけられますが、大きさは関係なく、形や傷、中の空洞化がないものほどランクが上になります。
今年は雨もあまり多くなかったためスイカの出来も良く、今年の出荷量は西瓜部会全体で約235トンになりました。

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順調に育ったスイカ(部会員の畑)

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スイカの縞がはっきりしているのは順調に育ったあかし

2014年7月23日取材の情報になります
ライター:田中マリ子

お問い合わせ
施設名 JAあいち豊田 猿投営農センター
住所 豊田市上原町上河原8-1
TEL 0565-45-0345
営業時間 9:00〜17:00
定休日
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