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地元の若いパティシエ仲間とコラボ、 地域の特産品を素材に、これまでにないフランス菓子を作る 「ギャルリ・シュシュ・アー」
2013.08.19 更新

地域の特産品から生まれるフランス菓子

オーナーでシェフ・パティシエの白木亮年さん(左)とギャルソンの山田章宏さん

 名神高速道路の「大垣」ICから
少し北に入った住宅街の一角にある「ギャルリ・シュシュ・アー」。
マップを頼りにようやく探し当てると、
目の前に現れたのはグレーが基調の瀟洒なヨーロピアンスタイルの住宅。
植込みの向こうに「OPEN」の文字が見えなければ店舗だとはわからないほど、
隠れ家のようなスイーツショップです。
 緑の繁る中庭を挟んで併設されているミュゼ「遊子」には、
西美濃で活躍しているアーティストたちの作品が展示されることも……

 店内入口からイートインスペースはもとより
奥の厨房まで見通せる開放感を味わえるのも、特徴の一つ。
アイボリーの床と壁、ジュエリーケースをイメージして作ったというブラックのショーケース。
シンメトリーなカラーコーディネートがシンプルで、
すっきりとした印象を与え、男性客が多いというのもなんとなくわかる気がします。

ギャラリーを併設した「ギャルリ・シュシュ・アー」。
年月が経つほどに、深みをますグレーの建物もオーナーのこだわり。

明るくて開放感のある店内。
手前のショーケースはジュエリーボックスをイメージしたそう。
焼き菓子の種類も豊富で、ところどころにフランスを思わせるエスプリがあふれている

 オーナーでシェフパティシエの白木亮年(あきとし)さんが
スイーツの素晴らしさに目覚めたのは8歳の時。
幼馴染の誕生日会でその子のお母さんが作ってくれたロールケーキに感動したのがきっかけでした。
 名古屋の「セントニコラス」で菓子作りの基礎を学んだ後、フランスに留学。
老舗洋菓子店「ゴンドール」でフランス菓子の味を習得して帰国し、
さらに長久手にある「ピエール・プレシウズ」の寺島シェフに師事。2006年に独立。
「ギャルリ・シュシュ・アー」をオープンしました。

 フランスが大好きな白木さんですが、故郷に対する熱い思いも人一倍。
「スイーツで地元を元気にしたい」と、
これまでに揖斐川町春日産のヨモギ、同じく春日産のお茶、安八郡輪之内町産のシャインマスカット、
そして「にしみのブランド」の枝豆や大垣の水を使った新作水まんじゅう「芭蕉のしずく」など、
地域の特産品を使ったオリジナルのスイーツを考案・開発してきました。

若き菓子職人が集う「真夏の競演」

 白木さんたち同年代の菓子職人仲間7人でつくる「セイノー・デ・パサパ」では、
この7月「ギャルリ・シュシュ・アー」を会場に、
毎週水曜、西濃産の枝豆やブルーベリー、紫シソ、トマトなどの食材を使って
二人の職人が異なるデセールを作り、その場で参加者に出来立てを食べてもらう真夏の競演
「サマーレボリューション」を企画・開催しました。
 私がうかがった日の食材はブルーベリー。
揖斐川町の老舗和菓子屋「みわ屋」さんと白木さんのコラボレーション。
ドリンクは「サマーレボリューション」の期間中、
揖斐川町春日にある「傳六茶園」さんのほうじ茶を使用。
適度な苦みと渋みのあるほうじ茶はさっぱりとして、和菓子だけでなく洋菓子にもよく合います。

「みわ屋」さん特製のタネを使って、参加者自らが焼くドラ焼き

 競演者の挨拶の後、参加者はカウンター奥にある厨房に移動。
「みわ屋」さん特製のどら焼きのタネを使い、
一口で食べられる程度の小さなどら焼きをを自分で焼きました。
表面にフツフツと穴があいてきたら、ひっくり返し、両面をこんがりと狐色に焼き上げます。
こうばしい香りが食欲をそそりますが、続きは後でのお楽しみ。
 自分の席に戻って待っていると、
ブルーベリーのディプロマット(果物やドライフルーツなどが入ったプディング)が登場。
同じくブルーベリーから作られた赤紫色の宝石のようなジュレと
アイスクリームが添えられた夏らしいさわやかなデセールは見た目も美しく、思わず歓声が上がりました。

(右)ブルーベリーのディプロマット(白木さん作)
(左)参加者が自ら焼いたどら焼き。皮がふっくらとしていておいしい

(右)最中と、ブルーベリー・パッションフルーツを合わせた葛きり。最中は餡を自分で詰めてたべる
(左)生のブルーベリーとクリームチーズをはさんだどら焼き

 次に出てきたのは、さきほど自分で焼いたドラ焼きに極上の餡が添えられたもの。
続いて、餡を自分で詰めて食べる最中と、
ブルーベリー・パッションフルーツを合わせた葛きりが登場。
上品な甘さの餡と酸味のある葛きりが口の中で溶け合い、とても涼やかでした。
ラストは薄く焼いたどら焼きでクリームチーズとブルーベリーを挟み込んだもの。
この時すでにかなりおなかはいっぱいだったのですが、
程良い酸味の効いたクリームとブルーベリーのおかげで食が進み、
4種類のお菓子をすべて食べ切ることができ、満足感に浸ることができました。
どのお菓子もパティシエが腕によりをかけ、この日のために準備された貴重なオリジナル。
せっかくなので、「サマーレボリューション」終了後も
お店のメニューとして食べることができたらいいのにと思いました。
 「今後も仲間と力を合わせ、スイーツで岐阜をもっとアピールして行きたいです」と、
白木さんは話してくれました。

編集員のココがオススメ!

「ギャルリ・シュシュ・アー」のケーキはほぼ3カ月ごとに一新されるそうですが、シェフの判断によってはもっと早いサイクルで変わることもあるそう。だから、いつでもフレッシュな気分で訪れることができます。カウンターに座って、シェフの白木さんやギャルソンの山田さんとお話しするのも楽しみの一つ。親しくなると、お菓子作りのいろいろな裏話を聞くこともできますよ。味や雰囲気ももちろんですが、オーナーの人柄に引かれて通ってくる人も多いはず。

(松島頼子)

 

施設情報

施設名 ギャルリ・シュシュ・アー
住所 岐阜県大垣市内原1丁目181-2
TEL TEL:0584-88-3381
URL ギャルリ・シュシュ・アー
定休日 月曜・第3火曜(祝日の場合は営業・翌日休み)
営業時間 10:00~20:00(お菓子がなくなり次第終了)

2013年7月17日現在の情報になります。

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