自力で店舗をリノベーション

　6月3日、待ちに待ったお店が「大垣市かみいしづ緑の村公園」前にオープンしました。
雨宮英樹・明日香夫妻の「手づくり工房 あめんぼ」です。
「あめんぼ」では、地域の特産品であるブルートマトを加工したジャムや
完成まで3カ月かかったというスパイシ―なピザ、
北海道産と飛騨産の牛乳をブレンドした濃厚なソフトクリームのほか、
地元の主婦やお年寄りが創った手作りのパンや竹炭、苔玉、草木染、シイタケや卵、
地域情報誌なども販売しており、開店初日からたいへんな人気です。
昼前には商品が売り切れてしまい、せっかく来てくれたお客さんに謝る一幕も……
　当初は5月23日にオープン予定でしたが、
店のリノベーションもほとんど二人で行ったため、予想以上に時間がかかりました。
見かねた近所の人が、天井の板張りを手伝ってくれたそうです。
　いつも前向きで一生懸命だから、ついつい自然と応援したくなってしまう。
彼らの前では、みんな良い人になってしまう……そんな不思議な力を持つ二人です。

農ある暮らしを求めて

　東京都豊島区にある要町で
マクロビオティックの「ＣＡＦＥあめんぼ」を営んでいた雨宮夫妻が、
大垣市上石津町時地区に移住したのは2008年の春。
経済至上主義・効率優先の社会に疑問を感じ、自分たちが食べるお米は自分たちで作りたいと、
不耕起・不除草・不施肥・無農薬を旨とする自然農に憧れてのことでした。
　現在、住んでいる家はインターネットで見つけたそう。
「物件を見に来たとき、とても綺麗で改修しなくてもすぐに住める状態であったこと、
近所の人にとてもあたたかく迎えていただき、
私の実家から1時間圏内だったため、即決しました」と、明日香さん。
　引っ越しで貯金を使い果たしてしまったため、
英樹さんは清掃・産業廃棄物処理会社で、明日香さんはパンづくりの技術を生かして
垂井町のパン屋で働くなどして生計を立てていましたが、2011年、英樹さんが退職。
自宅横の小屋を改造して木工「amenbo design」をオープン。
木工作家への道を歩み始めたのです。

地域のアンテナショップをめざす

　そんな二人に、
「緑の村公園前の空き店舗を使って店をやらないか」と話があったのは今年の春。
最初は断った明日香さんでしたが、「上石津には埋もれた才能ある人がたくさんいる。
そうした人々の作品や地域の特産品を販売すればみんなに喜んでもらえるし、
上石津をアピールできるのではないか」と考え、引き受けることにしました。
　作り手の思いが伝わるよう、あたたかみのある手描きのポップもいくつか用意しました。
商品も一度に作って売るのではなく、
お客さんの声に耳を傾けながら試行錯誤しつつ開発していきたいといいます。
「手づくり工房 あめんぼ」ではこれからも上石津のポータルサイトとして、
地域のアンテナショップ的役割を担いつつ、多くの人々に愛されていくことでしょう。

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施設情報

2013年6月3日現在の情報になります。