飛騨の郷土料理を通して、飛騨産の野菜のおいしさを伝える店「みかど」。飛騨のごちそうプロジェクトとの関わりや、飛騨の食材を使った郷土料理のすばらしさを、ご主人の加賀江徹さんにお伺いしました。
創業80年を誇る老舗の「みかど」。昭和初期に初代が創業、そのレシピを受け継ぎ今は加賀江さんが飛騨の郷土の味を提供し続けています。「使う野菜のほとんどは飛騨のもの。高山市の隣にある宮川村の農家やお隣の八百屋さんから新鮮な野菜を仕入れています」と加賀江さん。特に自家製あぶらえと一緒に和えて提供するほうれん草は「お客さんも驚くほどの葉の柔らかさです。味も力強い」と自らも絶賛します。
また「高地で冷涼な気候だからこうした葉物の野菜がおいしく育つのだと思います。反対に、地質の関係からか大きなイモなどは育ちにくい。だからころいものように小さなイモを使った料理が郷土料理として受け継がれてきたのでしょうね」とも話します。
加賀江さんは「飛騨のごちそうプロジェクト」のメンバーのひとりと同級生。その縁から、2015年5月に行われた「映画『100年ごはん』上映会」のイベントに合わせて、飛騨の郷土料理であるこも豆腐、ころいも、がんもどきの煮物を提供しました。
「最初は50人前といわれていましたが、直前になって250人前に増えて大変でした」と話す加賀江さん。「でもそれだけ、多くの人々に飛騨の味を知ってもらえたのは嬉しいですね」。加賀江さんがフェイスブックで告知したのも功を奏し、当日のイベントは大盛況だったといいます。もちろん、8月から行われる「飛騨をまるごと食べんかな月間」にも参画し、ポップやポスター、料理を通して飛騨の野菜の魅力をアピールしていきます。
こうした郷土料理以外でも、飛騨の野菜を使ってさまざまなひと皿を作ることも多いという加賀江さん。特に、飛騨のトマトをペーストにして水を一切使わずに作る、裏メニューのカレーが人気だといいます。「豆たっぷりのキーマカレーも飛騨産の野菜をたっぷり使います。野菜の滋味が溶け出しておいしいですよ」。
カレーはランチで不定期に提供。フェイスブックで告知をすれば、これを目当てに遠方から訪れる人や外国人も多いそうです。
他にも、頼まれればイベントの仕出し弁当などを手がけたりすることも。「飛騨産の米を使っておにぎりを作り、飛騨産の野菜で惣菜を作ります」と加賀江さん。「これからもあらゆる機会を通して飛騨の食材をもっと多くの人に知ってもらえるように頑張りたい」と力を込めて話す姿が印象的でした。
2015年6月22日取材時の情報になります。
ライター:小山芳恵
施設名 | お食事処 みかど |
住所 | 岐阜県高山市末広町58 |
TEL | 0577-34-6789 |
営業時間 | ランチ11:00〜15:00、ディナー17:30〜21:00 |
定休日 | 水曜 |