イネ科の水生植物であるマコモは、いつも水のあるところに群生します。
菰野町は昔から鈴鹿山脈からの伏流水に恵まれた地で、昔、
マコモの原野が広がっていたのも、そうした自然環境があったから。
菰野町に住む大橋徳紀さんがマコモ栽培をはじめたのは、 町の職員時代に、町名の由来でもあり、
健康食材としても優れたマコモの栽培を提唱する人との出会いがきっかけだったとか。
三重県の農業改良普及センターの指導のもとに同センターから株をわけてもらい、
自分の田んぼの一部にマコモを植えました。
「菰野町のマコモは除草剤などの農薬を使わずに育てており、
裏山からのきれいな水で栽培できるのを誇りにしています」と大橋さん。
5月頃に植えたマコモは2メートル以上に成長し、9月から11月にかけて収穫期を迎えます。
「栽培は難しくないですが、稲より手間はかかります。
水を絶やさないようにすることや、草取りが大変ですね」。
黒穂菌により茎がタケノコのように白く膨らんだマコモタケの収穫は、
稲のようにまとめて機械で刈り取ることができません。
「一株ごとに1本、1本、マコモタケの生育具合が異なるので、
収穫期には毎日、田んぼをくまなく見て回って手作業で刈り取っていきます」。
大橋さんがマコモ栽培をはじめて3年ほどは町でも馴染みがなく、
マコモのすばらしさを伝えたい一心で、栽培だけでなく、地道な普及活動を続けていたと言います。
「最初の頃はマコモタケを配り歩いたり、田んぼで収穫祭をしたり、
最初にマコモ栽培をすすめてくださった方の山荘でも収穫祭をしていただきました」。
年賀状にもマコモのことを書いて送っていたところ、
湯の山温泉の女将がその年賀状に目をとめたのがきっかけで、
旅館の料理に出されるなど、少しずつマコモが認知されていきました。
その後は、商工会が中心になったプロジェクトの効果もあって
マコモの葉の粉末化で商品が作られ一気に普及し、
生産者と活用業者との連携の会もできて、マコモ栽培を手がける人も増えたそうです。
マコモの普及に努める大橋さんは昨年、「マコモの里の歌」という歌の歌詞まで作りました。
「栄養価も優れたマコモを多くの人に食べてほしいし、
大根や人参のように日常的に食卓にあがるような食材になってほしいと思います」。
大橋さんは奥さんとともに、天ぷらやキンピラ、炒め物、味噌汁の具や漬物など、
マコモタケが家庭でも簡単に料理できることを実践しつつ紹介しています。
大橋さんは栽培仲間の人たちとともに、今後、家庭でも気軽に マコモ栽培を楽しんでもらえるよう、
ポットに入れたマコモの苗を配るなど、 新たな取り組みも考えているとのことです。
■次回は「レストラン 饗庭(あいば)」をご紹介いたします。
生のマコモタケが出回るのは9月から11月初旬頃までと期間が限定されるものの、道の駅「ふるさと館」やJA直売マーケット「四季菜」で購入できます。値段も100円ぐらいからと手頃です。クセがなくシャキシャキした歯ごたえがあるマコモタケを家庭料理で楽しんでみてはいかがでしょう。
(田中マリ子)
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団体名 | 菰野町商工会 |
住所 | 〒510-1234 三重県三重郡菰野町大字福村871-1 |
TEL/FAX |
TEL:059-393-1050 FAX:059-393-4270 |
URL | 菰野の真菰(マコモ,まこも) マコモタケ – 三重県菰野町の特産品,健康食材 |
施設名 | 道の駅ふるさと館 |
住所 | 〒510-1233 三重郡菰野町菰野2256 |
TEL/FAX | TEL:059-394-0116 |
URL | 菰野町観光協会 – 三重こもの町 – |
2011年10月12日現在の情報になります。