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「eat eco」の実践でびわ湖を守る
2016.06.15 更新

1滋賀県が実践する「環境こだわり農業」。農薬や化学肥料を通常の5割以下に抑え、環境に優しい技術でびわ湖の水と環境を守る農法として2001年から行われています。こうした取り組みに賛同し、手間暇かけてコシヒカリを作る農家の朝日正行さんにお話を伺いました。

10年前から環境こだわり農業を実施

湖北に広がる緑豊かな田園地帯。ここで米農家を営む朝日さんは10年前から本格的に「環境こだわり農業」に取り組んでいます。
「びわ湖を守りたいという気持ちはおおいにありますし、減農薬に対しても時代の流れで取り組んで行かなくてはという思いがありました」と朝日さん。
「作業としては今までよりプラスαでやることも多いのですが、滋賀県の農家ではすでに一般的になってきていることなので、負担ではありません」といいます。

環境こだわり農法による米作りは、種籾の温湯消毒から始まります。
「60℃の湯に10分間種籾をつけて消毒。これを1時間5回のペースで行い、半日で約120kg分の種籾を消毒します。消毒したらすぐに流水で冷やさないと芽立ちが悪くなるので気をつけています。種籾の段階で病気を本田に持ち込まないようにする、重要な作業です」と朝日さんはいいます。

21回につき、乾いた種籾を16kg分消毒。湯を吸った種籾はかなり重く、作業も大変だといいます。

予防を心がけ、農薬散布や農薬成分を減らす

育苗床となる苗箱は丁寧に殺菌と殺虫を実施。ここでも「本田に病気を持ち込まない」努力が行われます。
「病気の予防を心がけることで、本田での防除農薬を減らせます」と話す朝日さん。本田ではこれまで3回の農薬散布が行われていましたが、現在は1〜2回に削減。また農薬もかつては14成分使っていたものが、7成分以下になりました。「もともと全国に比べて、滋賀県で使用可能な農薬の種類は少なかったのですが、さらに減らす努力をしています」。

また施肥については、田植えの時の元肥を工夫。土の中でゆっくりと溶け出す有機肥料を使い、7月の穂肥の際に肥料をやる手間を減らしています。さらには側条施肥ができる装置を取り付けた田植機を、県と耕作機メーカーが共同で開発。
「水田に無駄な肥料を与えると、びわ湖に流れ出てしまいます。苗を植える際に苗の側の土壌中に肥料を与える側条施肥は、水中への肥料の流出が減り、環境にも影響が少なくなります」。
まさに農家と県が一体となって、環境こだわり農業による米づくりが行われています。

4白くコーティングされた緩効性の有機肥料。農家の手間を少しでも省くために、こうした肥料が使われています

3播種機で均等に植え付けられた苗。土の上に農薬、種籾、その上にまた土をかぶせて育てられます

1_予備育苗はハウスで行う。田んぼ1反に対し、20枚の苗が植えられます

5田植機で田植えをしながら同時に元肥の施肥も行っています

びわ湖を抱える地域の宿命として

こうした環境こだわり農業で作る米の場合、1反あたりの収量は7俵半〜8俵。農薬や化学肥料を使っていた頃と比べて2割ほど落ちたといいます。

しかし、その徹底した栽培方法や品質の良さが認められ、大手スーパーに「特別栽培米」として認定されるという喜びも。
「いずれは有機肥料で米を作りたいと思っていたので、実践できてうれしい。より安全でおいしい米を提供できるのも、自分の自信につながります」と朝日さんは話します。

また農薬を減らしたおかげで田んぼの水がきれいになり、さまざまな生物も生き生きと育っています。
「びわ湖のニゴロブナは、滋賀の伝統食である鮒寿司の大切な素材。最近は、田んぼで生育したニゴロブナの稚魚を、子ども達と一緒に用水からびわ湖へ還す体験も行っています」。

安心安全な米を作ることで、びわ湖の命を守り、滋賀の自然や伝統も守る。「びわ湖を抱える地域の宿命です」と笑顔で話す朝日さん。地域の農業とびわ湖を守りたいと願う農家さんたちと滋賀県の取り組みは、まだまだ続きます。

7近隣の小学生がニゴロブナの稚魚の捕獲と放流体験を実施。食育にも役立っています

6田植えを体験しながら、食と農のつながりや大切さを学ぶ子ども達

2016年5月24日取材時の情報です
ライター 小山芳恵

お問い合わせ
施設名 JA北びわこ農業組合営農経済部
住所 滋賀県長浜市湖北町速水2721
TEL 0749-78-2416
営業時間 8:30〜17:00
定休日 土、日曜、祝日
URL http:// jakitabiwako.jp
E-mail
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