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湖北の冬の風物詩
余呉湖のワカサギ釣り
2015.03.13 更新

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日本最大の湖・琵琶湖の北に余呉湖という周囲約6.4㎞の小さな湖があります。戦国時代に合戦の舞台となった賤ヶ岳の山麓にあり、日本最古とされる羽衣伝説ゆかりの衣掛柳が今に残るなど歴史とロマンに彩られた余呉湖には観光客も多く、特に毎年11月~3月が漁期となるワカサギ釣りは湖北の冬の風物詩として親しまれています。今回はワカサギの孵化・放流に取り組む「余呉湖漁業協同組合」の筒井伸彦さんにお話をうかがいました。

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「余呉湖漁業協同組合」事務局長の筒井伸彦さん。笑顔でビジターを迎えてくれる頼もしい余呉湖の達人だ

豊かな水産資源に恵まれた滋賀最北端の湖

余呉湖のある長浜市余呉町は滋賀県の最北端に位置し、福井県敦賀市に隣接しています。そのため気候は北陸型で冬の寒さは厳しく、積雪量も少なくありません。

周囲を山々に囲まれた盆地の中で満々と水をたたえる余呉湖は別名「鏡湖」とも呼ばれる静かな湖。最大水深は約13mでコイやフナ、モロコなどの川魚が豊富です。

湖の北側には「余呉湖ビジターセンター」、湖の西と東には定員約600名収容の川並桟橋、同約60名収容の江土桟橋があり、ワカサギ釣り期間中は午前6時から午後5時まで無休で営業。桟橋入口の券売所では、遊漁券、仕掛、釣り具などを販売しています。

取材当日は不安定な天候でしたが、大勢の釣り人たちでにぎわっていました。

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江土桟橋でワカサギ釣りを楽しむ人々。正面には雪をいただいた湖北の山並みが連なる。
厳寒の中の釣りだけに、防寒対策は必要。桟橋上では床に熱を伝えない簡易な暖房器具の使用は可能。ルールを守り、楽しい釣りができるよう心がけよう。

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「余呉湖漁業協同組合」のあるビジターセンター。釣りに必要な道具やエサはすべてここで購入できる。湖の環境保持のためマキエやサビキ釣り・引っ掛け釣りは禁止。桟橋の棄損、湖への油・炭火等の投棄が発生しているため、桟橋上での火気の使用について制限がある。マナーを守って楽しく釣ろう。遊漁料:1日券 大人/1400円 小中学生/800円 ※見学入場は不可

諏訪湖からもたらされたワカサギ

余呉湖のワカサギ釣りの歴史は、昭和52年、当時の漁協の役員が余呉湖を訪れる釣り人に、「冬の余呉湖での釣りを楽しんでもらおう」と、諏訪湖で採れたワカサギの卵を購入し、孵化・放流したのが始まり。ワカサギ釣りが楽しめる湖としての余呉湖が定着したのは平成に入ってからだそうです。

回遊魚であるワカサギは、産卵期には河川をさかのぼって砂礫所などに卵を産み付けます。余呉湖漁協ではワカサギの性質を利用して川の中にキンランと呼ばれる人工産卵巣を設置して採卵し、養殖池で孵化させた後、湖に放流します。

しかし、最近ではオオクチバスやブルーギルなどの外来魚も入り込み、漁協ではその駆除に苦心しているとのこと。「外来魚の釣り人もたくさんおみえになりますが、マナーを守って遊漁を楽しんでいただきたいですね」と話しておられました。

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余呉湖のそばに作られた人口孵化のための池。緑色の水草のようなものがキンラン

釣りたてのワカサギの風味は格別

ワカサギ釣りといえば凍った湖に穴をあけて釣り糸を垂らすというイメージですが、余呉湖では桟橋から釣ります。

エサは赤虫と紅サシ。寒風吹きすさぶ湖上で、これらを7本の仕掛け針にチョン掛けするのはなかなか骨の折れる仕事です。常連の釣り客の中には、輪切りにした大根の上にエサを置いて付ける人もあります。

エサを付け終ると、先端におもりを付けた糸を静かに水中に垂らします。湖底についたら竿を上下にゆらゆらと動かし、ワカサギを誘います。

ワカサギは体長10cm前後のほっそりとした姿をしており、釣り人はかすかなアタリを頼りに竿を引き上げます。何匹ものワカサギが針にぶらさがっているのを見るのは嬉しいもの。かじかんだ手で針についたワカサギをはずし、持って来たバケツの中に入れてまたエサをつけ、次のアタリを待ちます。

余呉湖を訪れる釣り客は地元滋賀県のみならず、京阪神や隣接する福井県、岐阜県や三重県から来る人々も多いそうです。

釣れたワカサギはすべて持ち帰ることができ、ビジターセンター内にあるお食事・休憩処「舟戸」に持ち込めば天ぷらにしてくれるので、アツアツの揚げ立てが食べられます。新鮮なワカサギは臭みも苦みもなく、頭から尾の先までまるごと食べることができ、そのサクサクした食感は一度食べたらやみつきになるおいしさです。自分の手で釣りあげた獲物を食べる醍醐味は、現地でなければ味わうことができません。

「今後もより多くの方々に冬のワカサギ釣りを楽しんでいただければと思います」とのこと。3月、ワカサギの漁期が終われば、コイやフナ、モロコなどが釣り人を待っています。

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仕掛けとエサ。エサはユスリカの幼虫赤虫とハエの幼虫を人工的に飼育し赤く染めた紅サシ

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大阪から来た常連客の1人、居場さん。針にかかったワカサギを見せてくれた

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センター内の「舟戸」で天ぷらにしてもらった。アツアツでサクサクした食感はビールのおともに最高だ。※揚げたては本来のメニューにはないため、釣果がないと食べられない

2015年2月6日取材時の情報です
ライター : 松島頼子

お問い合わせ
施設名 余呉湖漁業協同組合
住所 滋賀県長浜市余呉町川並2380-1
TEL TEL/FAX:0749-86-3033
営業時間 6:00~17:00
定休日 火曜日 ※ワカサギ釣りの期間中(~3/31まで)は無休
URL http://www.ozatoya.co.jp/kumiai/yogoko_fishing.html
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