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1年を通して出荷する
「食用小菊」栽培のパイオニア
2014.04.10 更新

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東三河の中心となる豊橋市は、温暖な気候を生かして明治の終わりからメロンなど温室栽培が盛んに行われてきた地域。
温室農産物を専門に扱う組合(豊橋温室園芸農業協同組合)も全国に先駆けて設立され、豊川用水の完成もあって屈指の農業地帯へと発展しました。
中でも「つまもの」の栽培は全国トップシェアを誇ります。「つまもの」とは、大葉や小菊など料理に添えられている彩りのことで、「食用小菊」の栽培は50年以上の歴史があるそうです。

苗作りから収穫まで半年

小菊は「こまり」「金錦」など5、6種類の品種から季節に合うものを栽培し、1年を通して出荷できるようにしています。
苗作り、定植を経て、半年かけてようやく収穫です。温室には黄色の可愛らしい花が一面に咲き誇り出荷されるのを待っています。「花に厚みと丸みが出てきたら収穫します。一輪ずつ花の状態を確認しながら手で摘みます」と生産者の沼野一佳さん。

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2月初旬から5月末に出荷する「こまり」と沼野さん

安心安全で環境にも配慮

食用の小菊は安心安全な花であることが重要なポイント。「害虫から花を守るための薬品による消毒は極力少なくし、アブラムシを食べるてんとう虫を温室に放すなど生物農薬の力を借りています」と沼野さん。
害虫対策と同じぐらい気を使うのは温室の温度管理。沼野さんは温度調節に木質ペレットボイラーを使っています。豊根村の間伐材(ペレット)を燃やして温風を送る仕組みだとか。豊橋市の実証試験に応募して始めた方法で、ちょうど1年半ぐらいになるそうです。
「灰は豊橋で飼育が盛んな鶉(うずら)の糞を混ぜて肥料にするという循環型の農法です。環境に配慮し、森林の保全や地域振興にも役立つ取り組みだと思っています」。

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ビニール管を通して温室全体に温風を送ります

昔から伝わる菊花のパワー

五節句のひとつ「重陽の節句」に長命を願って菊の花びらを浮かべた酒を飲む風習があるなど、昔から延命長寿の薬として知られている菊の花。 お刺身や小鉢に彩りを添える小菊は見た目の美しさだけでなく、殺菌効果があり、健康や美容にもいいという優れもの。眼精疲労・血圧降下・コレステロールの抑制に効果があるといわれる成分も多く含まれています。

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風味や香りも楽しめる小菊

新たに「小菊」のお茶を開発

沼野さんの所属する菊花部会では、多くの方に小菊を知ってほしいと、イベントへの参加や加工品の開発も積極的に行っています。
試行錯誤を繰り返して完成したのが「小菊彩り茶」。小菊を蒸して愛知県田原産の高級緑茶にブレンドして作られました。口に含むとほんのり菊の香りがする上品なお茶です。
※「小菊彩り茶」は、地元のスーパー「一期家一笑」(豊橋市下地町)や「ピピッと!あいち」(名古屋市中区・中日ビルB1)などで手に入ります。1袋(50グラム入り)本体価格400円(消費税別)

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菊の花の黄色が映える茶葉

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地元商品が並ぶ店には「小菊彩り茶」も置いています

2014年3月3日取材の情報になります
ライター:田中マリ子

お問い合わせ
施設名 豊橋温室園芸農業協同組合 菊花部会(担当職員:伊藤)
住所 愛知県豊橋市高州町字小島103-1
TEL 0532-31-6371
営業時間 9:00〜14:00
定休日 -
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