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日本一の和良鮎を味わいつくす!「長良川まんぱく」の体験プログラム「五感でいただく貴重鮎の食べ比べ@山里の古民家」
2013.04.09 更新

炭火でじっくりと焼かれていく「和良鮎」。

長良川流域の食による地域おこしを応援するイベント
「長良川まんぷく博覧会」(岐阜県、同博覧会実行委員会主催)の体験プログラムの一つ、
「五感でいただく貴重鮎の食べ比べ@山里の古民家」(和良鮎<わらあゆ>を守る会主催)が
2012年2月24日、郡上市和良町で開かれました。

この催しは、和良川の環境保全と
「和良鮎」の地域ブランド化に取り組んでいる、和良鮎を守る会が企画したもの。
県内外から17名の老若男女が参加し、「平成の名水百選」にもえらばれた
清流・和良川の日本一との呼び声が高いアユと、他産地のアユの塩焼きを食べ比べ。
「和良鮎」の甘みがあるハラワタを味わった参加者からは、そのおいしさを絶賛する声が多くあがりました。
プログラムでは、「和良鮎」のおいしさの秘密や和良川の環境についての説明も行われ、
参加者は豊かなめぐみをうむ和良町の自然について学びました。

絶妙な環境が育む宝物

体験プログラムの会場となった古民家。

「和良鮎」について説明を聞く参加者。

和良おこし協議会・和良地域おこし応援隊の小林隆臣さん(左)、古民家の家主である岩尾善信さん。

プログラムの冒頭、企画・運営にたずさわった
和良おこし協議会の和良地域おこし応援隊・小林隆臣さんが「和良鮎」について説明。
会場となった築300年以上の歴史をもつ古民家の家主である岩尾善信さんからも、
和良につたわる伝統文化や家屋・家財についての解説がありました。

「和良鮎」について小林さんは、
「昔からとれ、高値で取り引きされていたが、量が少なく知名度がなかった。
守る会で2年前にマークをつくり情報を発信。ブランド化に取り組んでいる」と紹介。
日本一のアユを、姿・香り・ワタ・身・総合の5つの審査から決める
「清流めぐり利き鮎会」(高知県友釣り連盟主催)で、
「和良鮎」が過去最多のグランプリを受賞していることをアピールしました。
なぜ「和良鮎」がおいしいのかについて、
和良川の水温が高く、水位が浅いため、アユの餌となる藻がはえやすい。
周囲の山々には石灰岩が多く、豊富なミネラルが川に流れ込んで良質な藻が育つのでは、
といったいくつかの要因をあげ、「『和良鮎』は絶妙な環境が育む和良の宝物」であると話しました。

江戸中期の元禄の時代から記録として残る、黒光りした太い梁(はり)や独特な造りが特徴の古民家で、
参加者は歴史の刻まれた年輪から伝わる、木のぬくもりを肌で感じながら、
これから味わう「和良鮎」についての知識を深めました。

貴重な香魚に驚きの声

落ち着いた雰囲気のなかで「和良鮎」を味わう参加者ら。

「和良鮎」(上)と他産地のアユを食べ比べました。

アユのほかにも和良産の米で炊いたご飯、自家製の味噌汁や漬物などがならびました。

和良鮎を守る会代表の大澤克幸さん(左)、和良おこし協議会事務局長の池戸祐芳さん。

正午をすぎると、待ち望んでいたアユが焼きあがり、
参加者の前には2匹の塩焼きがのったお皿が運ばれてきます。
どちらが「和良鮎」なのかは伏せたままの食べ比べがいよいよ始まりました。
参加した人々は、それぞれの色や香りを確かめると、
一匹ずつ口へ運んでゆっくりとかみしめ、味覚に全神経を集中させます。

香ばしいにおいを放つアユの表面はパリパリで、なかはふっくら。
頭から尾っぽ、中骨から内臓まで。
全てを味わいつくしたら、会場ではどちらが「和良鮎」なのか、
味や食感、香りについていろんな意見が交わされます。
「いつも食べているアユとぜんぜん違う」「香りがいい」「おいしい方がすぐにわかった」
主催者からの問いかけに、参加者の多くが「和良鮎」がどちらかを当て、
貴重な香魚のおいしさに驚きの声がやみませんでした。

今回提供された「和良鮎」は、昨年8月から9月にかけて釣られ、冷凍保存されていたもの。
アユ釣りの名人であり川魚の料理に精通する、和良鮎を守る会代表の大澤克幸さんが、
一匹ずつていねいに竹串に通して塩をぬり、時間をかけて炭火でじっくりと焼き上げました。
良質な藻を食べて育った「和良鮎」は、
魚体に黄色がかった線がはいり、ワタに独特の甘みをもっているのが特徴です。
大澤さんからは、今回提供した「和良鮎」の調理法についての説明もあり、
会場からは質問の手が次々とあがりました。

叙情的なピアノがかなでるジャズが静かにひびくなか、
古民家のゆったりとした時間の流れに身をまかせ、「和良鮎」と心のこもった数々の料理を堪能した参加者。
プログラムの終了後も、和良の魅力を体感した余韻にひたり、なごやかな歓談がいつまでも続きました。

編集員のココがオススメ!

ほのかな甘みが感じられる「和良鮎」のワタ。深みのある独特な香りと味わいで、貴重なアユの魅力を五感で体感することができました。このような恵みをいただくことができるのも、豊かな自然が残されているからこそ。伝統文化をふくめ、いまある環境を守り、次代へつないでいくことの大切さを改めて強く感じました。郷土に愛情をそそぎさまざまな活動を展開している、和良鮎を守る会、和良おこし協議会のこれからに期待し、注目していきたいと思います。

(新美貴資)

 

詳細情報

お問い合わせ 長良川まんぱく事務局
TEL:058-207-0022
E-mail info@manpaku.net
URL 長良川まんぱくWeb

2013年2月24日現在の情報になります。

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