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【玉城町特集】母と息子の夢が詰まったスローフードレストラン「旬菜 野の花亭」
2013.01.11 更新

伊勢の山々とぶどう畑に囲まれた、小さなレストラン

季節のよい時期にはこのテラス席でランチを楽しむこともできる

その昔、大和と伊勢を結ぶ初瀬街道と熊野街道が交わるお伊勢参りの宿場町として賑わった玉城町。
今も街のあちこちに残る常夜燈や道標が往時の面影を伝える、歴史ある町です。
そんな玉城町は農作物の宝庫としてもその名を知られる町。
平坦な地形と温暖な気候に恵まれた自然条件の中で、
お米はもちろん野菜や果物、花、畜産まで多種多様な農作物が作られています。
こうした農作物の「とれたてのおいしさを味わってもらいたい」と2002年に開店した「旬菜 野の花亭」。
のどかな田園風景に囲まれてたたずむ、スローフードレストランです。

夫婦2人で始めた小さな店。夢のリレーは二代目へ

「野の花亭」の始まりは、主人の楠川喜広さんの母・陽子さんの思いから。
「管理栄養士の資格を持つ母は、地元の農作物を使ったお店を開くことが長年の夢でした」と喜広さん。
その夢に賛同した陽子さんのご主人も会社を退職。
陽子さんの真心がこもった料理の味が評判を呼び、夫婦2人で店を切り盛りする日々が始まります。
しかし、陽子さんのご主人が病に倒れ、他界。
大手飲食店で働いていた喜広さんは店を継ぐかどうか葛藤しましたが、
陽子さんの「いずれにしても10年たったらやめようと思っている」という一言に考えが変わります。
「母の夢を未来へとつなぐためにも、
そして店を慕って訪れてくれるお客様のためにも続けていこう」と一念発起、
二代目として頑張る決意をしたのです。

日差しが降り注ぐ明るい店内

「小さい店で足元を固めながら、
やりたいことにひとつずつ取り組んでいきたい」と話す楠川喜広さん

ふるさと味工房アグリで仕入れる新鮮野菜を使ったランチ

野菜とチキンの旨みが濃厚なチキンカレーセット 840円

(左)多彩な料理のほかに自家製ジュースもつく野の花Bランチ 1365円
(右)おひたしや玉城豚のローストなどがワンプレートにのる野の花Aランチ 945円

店で使う新鮮な野菜や果物のほとんどは、
地元の農作物が集まる「ふるさと味工房アグリ」で仕入れます。
「アグリさんの方々とは家族のようなつきあいで、本当によくしてもらっています」と話す喜広さん。
町の特産品であるマコモダケやターサイをはじめ、
旬の野菜が出回ると、陽子さんが販促用のレシピを考えることもあるとか。
「玉城町のおいしい野菜をもっとたくさんの人々に知ってもらいたいと思い、
お互いに協力しあって頑張っています」。
そんなアグリの野菜をふんだんに使った週替わりのランチは大好評。
シャキッとした歯触りが楽しめる野菜の生春巻きやダシがしっかりとしみ込んだカブの煮物、
旨みたっぷりの玉城豚のローストなど、栄養満点でバランスのとれた料理はすべて陽子さんが考案。
「いい水、いい大地で育ったとれたての野菜はどれも滋味あふれるものばかり。
これら野菜のおいしさをそのまま楽しめるように、シンプルな調理法を心がけています」と喜広さん。
彩り豊かで、一口食べれば心も体もほっこり癒される。
そんなスローフードランチを楽しみに、常連はもちろんのこと、
週末ともなれば遠方からも客が訪れます。

試行錯誤の末、ついに「玉城わいん」も誕生

あっさりとした優しい甘さが特徴の玉城わいん1本1800円。
12月1日より「ふるさと工房アグリ」で販売

喜広さんとともに店を営む一方で、
陽子さんは5年前から地元のぶどうを使ったワインの開発にも取り組んでいます。
「玉城町の勝田地区には17軒のぶどう農家がありますが、どこも次世代の担い手不足に悩んでいます。
『ぶどう農家や町の活性化のために何かできることはないか』と考えた母がたどり着いた結論が、
ワインの開発だったのです」と喜広さんは話します。
ここで栽培されるデラウェアや巨峰を使ってワインを作れないか、
そう考えた陽子さんは町の商工会に相談。
伊賀でワインの醸造を行う「NPO法人スタイルワイナリー」の協力を得て試行錯誤の末、
ついに「玉城わいん」が完成したのです。
この「玉城わいん」を広めるために、喜広さんや陽子さんが主体となって昨年から「ぶどう祭り」も開催。
ぶどう農家や地元の若い人達の協力のもと、
紙芝居やクイズラリー、ワインの試飲などを行い、イベントは大盛況。
「これからもこうしたイベントを続け、玉城わいんを通じてもっと町全体を活性化していきたい」と
陽子さんも喜広さんも意欲満々です。

玉城町でしか味わえないおいしいものを、これからも

玉城豚を使った玉城ブーブーカレーやチキンインドカレーなど各630円

喜広さんの叔母が作る手作りのコースターも「かわいい」と評判

喜広さんは玉城町の新鮮な野菜のPRにも力を入れる

母に続けとばかり、喜広さんもまた地元の食材を使った加工品開発に取り組んでいます。
その代表商品が自家製カレー。
油は不使用、9種類のスパイスと地元の野菜、玉城豚や勢和町産の大豆などを
じっくりと煮込んだカレーは辛さの中にも
甘さが感じられる深い味わいで、おみやげにも人気の一品です。
「今後は地元のぶどうを干しぶどうに加工して販売したい」と喜広さん。
「南伊勢で鯛の養殖を行っている知人ともタッグを組んで、
鯛飯や鯛そぼろなどの加工品も開発していきたいですね」。
玉城町の農作物を使った、玉城町でしか味わえないおいしいものを提供したい-。
母と息子の夢は今、ひとつになってさらにふくらみ続けていきます。

編集員のココがオススメ!

ランチでいただいた料理はどれも素材のおいしさがしっかりと伝わるものばかり。野菜本来の力強い甘みや苦みが楽しめます。またジューシーな玉城豚のおいしさにも感動!噛みしめると肉の旨みと甘みが口いっぱいに。さっぱりとした野菜のドレッシングも味に深みを添えてくれます。
また奇数月に3日間だけ「季節の楽しみ」という特別ランチ1575円もあるそうで、この日を楽しみにしている常連さんも多いとか。ぜひ次はそのランチも味わってみたいものです。

(小山芳恵)

店舗情報

ホームページ旬菜 野の花亭

店舗名 旬菜 野の花亭
住所 三重県度会郡玉城町勝田3588
TEL/FAX TEL:0596-58-7376
営業時間 ランチタイム11:00~14:00、デリタイム(惣菜の販売)16:30~19:00
休日 水曜、第3日曜(デリタイムは水曜、土曜、日曜、祝日)
アクセス 伊勢自動車道玉城ICから県道65号線経由で約5分

2012年11月23日現在の情報になります。

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