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【お魚ブログ】西尾で養殖ナマズの試食会開催
2012.12.27 更新

ふっくらとした身が味わえるナマズの味噌田楽。

ウナギの稚魚であるシラスウナギの不漁が続き、
厳しい経営を強いられている養鰻(ようまん)業界。
愛知県西尾市の一色地区をはじめ豊橋市、弥富市から三重県木曽岬町にかけて、
また静岡県浜松市など、この地方にはウナギの養殖を行っている産地がたくさんあります。
シラスウナギを池に入れ、管理しながら大きく育てて出荷する養鰻ですが、
かつてない稚魚の不漁で生産者は苦境に立たされています。

そのようななかで、天然食材の保全と再生を目指して活動するグループ
「おかずトラスト」主催によるナマズの試食会が2012年11月22日(木)、
愛知県西尾市内の食事処「増左ェ門」であり、
一色でウナギを養殖している生産者ら約30名が出席しました。
この催しは、ウナギの資源回復と養鰻産業の存続を図ろうと
「おかずトラスト」が企画したもので、
多様な調理で味わえるナマズのおいしさを関係者に知ってもらおうと開かれました。
ナマズは蒲焼きにしても食べることができ、
既存のウナギの養殖施設を使って育てることができることから、
「おかずトラスト」では枯渇が懸念されているウナギの資源が回復するまでの間、
ナマズを代わりに生産するプランを作成し、養鰻産業の保護と再生に向けた活動を展開しています。

今回の試食会では、
一色で養鰻業を営む大竹弘志さんが生産したナマズを使って調理した、
蒲焼きや唐揚げなどの料理が提供されました。
この地域でナマズを食べる習慣はなく、初めて口にするという出席者がほとんどでしたが、
どの料理も好評で出席した人々の関心を集めました。

どんな料理にもよく合う

冷めてもやわらかなナマズの唐揚げ。

ナマズのマリネ(左)と柳川鍋(右)。クセのないさっぱりとした身はどんな料理にもよく合います。

ウナギとはまた一味違ったナマズの蒲焼き。

試食会では、ナマズの味噌田楽、唐揚げ(ソースはケチャップ味とマヨネーズ味)、
マリネ、柳川鍋、蒲焼きの5品が提供されました。
これまでにナマズの刺身、蒲焼きは食べたことがありましたが、
今回だされた料理を食べてみて改めて思ったのは、
身も脂もクセのないナマズは、どんな料理にもよく合うということ。

フワフワな身が楽しめる味噌田楽やスナック感覚でつまめる唐揚げ、
あっさりとした身に味付けのよく絡んだマリネも驚くほどの食べやすさ。
柳川鍋の甘辛さとも相性がよく、
蒲焼きはウナギとはまた違った香ばしい味覚が堪能できます。
冷めてもやわらかく、皮や骨も気にならないことから、
会場では「おいしい」といった声が多く聞かれました。

調理に使われたナマズを育てたのは、一色で養鰻業を営む大竹弘志さんです。
厳しい養鰻経営を強いられるなか、今年7月にナマズの稚魚約4300匹を池入れして養殖に挑戦。
餌の種類や給餌方法、水質や水温の管理などに苦心しながらも飼育を続けた結果、
ナマズは順調に成長し、10月より出荷をスタートさせています。
稚魚の時期に共食いがあったり、魚体が傷つきやすいといった課題もあるようですが、
料理を試食した大竹さんはその出来ばえに納得した様子で、
「地元でナマズを食べる文化を築くことがポイント」と話し、今後の生産に意欲をみせていました。
出席者らは大竹さんの報告に熱心に耳を傾け、
料理の感想や養殖方法などについて活発に意見を交わしていました。

ナマズ養殖に挑戦している大竹弘志さん。

たくさんのナマズ料理がならんだ試食会の会場。

(新美貴資)

2012年11月22日現在の情報になります。

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