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「青じそ加工研究会」シリーズvol.5妥協のないブラッシュアップから生まれた「株式会社 寺部食品」の「青じそ寄せ豆腐」
2012.02.14 更新

「青じそ寄せ豆腐」1丁250g 300円(税込)。
何もつけずそのままでも、お好みで天然塩を軽くふっても美味。

日本三大稲荷のひとつ、豊川稲荷のお膝元で豆腐関連商品をつくっている株式会社寺部食品は、
地元愛知県産・三河産の大豆にこだわり、有機JAS認定工場を取得。
「寺部食品の“て”はモノづくりをする『手』、そして『食品』とは人に良い品と書く」と
自社の名前にプライドを持ち、職人が商品を1つ1つ手づくりしています。
国産大豆やにがりを用いる昔ながらの製法を守りつつ、
若いスタッフを中心に新しい商品の開発にも意欲的です。

「青じそ加工研究会」には発足と同時に参加。

「“地産地消”は、今後ますます重要なテーマになると思っていたので、
5年前、青じそ加工研究会から愛知特産の青じそを使って何かつくりませんかと誘われたときは、
すぐに参加を表明しました」と語るのは、寺部食品の寺部幸祐社長。
さっそく、青じそのペーストを使って寄せ豆腐をつくることにしました。
それまで山芋や枝豆を入れたものはありましたが、青じそ入りは初めての挑戦です。
機械ではつくれない寄せ豆腐は、すべて手作業となります。
一番苦労した点は豆乳の温度管理でした。
天候によって、季節によって変わる豆乳の温度を調節するのは職人の技。
そこににがりを入れてかき混ぜますが、
かき混ぜ方も、強すぎず弱すぎない絶妙なタイミングがあります。
また、1丁の豆腐に何枚分の青じそを入れるかというのも問題でした。
「食べると初めに豆腐の味がして、
その後、青じその風味がかぶさってくるというふうにしたかった」と寺部社長。
試行錯誤の末、1丁に対して12枚程度という答えを導き出しました。
そこにたどり着くまでに半年かかったといいます。

(左)「青じそ寄せ豆腐」には愛知産大豆フクユタカを使用。 (右)絞り出した高濃度の豆乳。

(左)豆乳の糖度を計測。 (右)豆乳の中に青じそペーストを入れる。

(左)撹拌した後、温度を計ってにがりを入れるタイミングをみる。 (右)天然にがりを添加。

(左)数十分間熟成させた後、「青じそ寄せ豆腐」の完成。
(右)1つ1つていねいにパッケージング。

完成品を見直し、一段とブラッシュアップ。

一旦完成した「青じそ寄せ豆腐」ですが、一昨年大きなブラッシュアップを迫られました。
青じそ加工研究会の定例会議でメンバーたちから、
もっと旨くしろ、もっと旨くできるはずだと、叱咤激励されたといます。
そして行ったのが、ベースとなる豆乳からの見直しでした。
豆乳の温度や出し方を工夫した結果、「青じそ寄せ豆腐」だけではなく、
他の豆腐やがんもどき、油揚げなど、すべての商品がおいしくなるという相乗効果が生まれました。
もちろん、お客様からの評判も上々です。

「中小企業の経営者は、会社全体のことも考えなくてはならず、
日々の業務に追われ、研究開発になかなか時間が割けないのが実情です。
そんな中、中小企業が集まって力を合わせることで、大企業に負けない新しい切り口の商品、
自己満足ではない顧客を見た商品開発が行えるのは素晴らしいこと。」
寺部社長は、青じそ加工研究会に参加する真の意義に気づいたそうです。

「青じそ寄せ豆腐」をブラッシュアップすることで、
すべての商品が良くなりましたと笑う株式会社寺部食品の寺部幸祐社長。

「青じそ寄せ豆腐」のおいしい食べ方。

冷やでそのまま食べてもおいしい「青じそ寄せ豆腐」ですが、
パックごとお湯であたためると、ほかほかの湯豆腐になります。
鍋にパックを入れ、ひたひたの水でぐつぐつ煮ないのがミソ。
フワッとあたたまったら器にあけ、
出汁ツユか白醤油を少し垂らして、崩しながら食べるのがおすすめです。
あたためることで青じその香りが立ち、大豆の甘さと旨味が楽しめます。

「青じそ寄せ豆腐」は、青じその生葉が苦手な子どもたちにも好評だといいます。
実は寺部社長、食育にも熱心で、地元の保育園や幼稚園、小中学校に出向いて、
子どもたちに豆腐づくりを教える豆腐博士として大人気。
また、昨年は長年の地産地消の取り組みや「青じそ寄せ豆腐」の開発などが評価され、
東愛知新聞社の社会賞を受賞しました。
魅力的な地域ブランドを創出し、地元の産業や人々に貢献する若きリーダーとして、
その活躍がますます期待されています。
 
■次回は青じそ薫る梅酒の「関谷醸造 株式会社」をご紹介いたします。

編集員のココがオススメ!

前回ご紹介した和洋菓子司「入河屋」さんとのコラボレーションで、昨年12月28日から販売を開始した「808(はちまるはち)」シリーズの第2弾となるおいしいスイーツが生まれました。その名も「青じそ寄せ豆腐スイーツ」。
「青じそ寄せ豆腐」に、ティラミスで使われるクリームチーズ「マスカルポーネ」とイタリアンメレンゲ(アメで泡立てたメレンゲ)を合わせたレアチーズケーキで、生クリームをかけていただきます。スプーンにすくって一口食べると、チーズのコクとメレンゲの甘さの後から、ほのかな大豆の甘味と青じその香りが追いかけてきます。まさに和と洋が絶妙に溶け合った斬新なスイーツに仕上がりました。
1個280円(税込)。毎月8のつく日(8・18・28日)に入河屋三ケ日本店と豊橋店、遠鉄百貨店で限定販売されます。
なお、「青じそ寄せ豆腐スイーツ」は数量限定販売のため、売り切れてしまう場合が多いので、事前にご予約いただくか商品の有無をご確認ください。また、着払いによるお取り寄せも可能ですので本店にお問い合わせください。㈱入河屋 三ヶ日本店 TEL 053-525-0902

(宮内京子)

青じそ寄せ豆腐を使ったレアチーズケーキと生クリームソースがセットになった
「豆腐スイーツ」1個 280円(税込)。右は上に生クリームをかけた状態。

会社情報

会社名 株式会社 寺部食品
住所 〒422-0842 愛知県豊川市蔵子7-16-6
TEL&FAX TEL:0533-86-2554
FAX:0533-84-7365
URL 株式会社寺部食品 TERABE.net

2012年1月31日現在の情報になります。

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