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石徹白を愛する私たちが、地元食材でおもてなし「くくりひめカフェ」
2012.01.17 更新

郡上市北部に位置する町の市街地、白鳥から車を走らせること約40分。
福井県に接する山あいの集落、石徹白(いとしろ)に着きました。
「マイクロ水力発電で石徹白(いとしろ)をPR」でお会いした
NPO法人やすらぎの里いとしろ理事長、久保田政則さんから
「昼食に是非!」と案内されたお店が「くくりひめカフェ」。
実は、ふるさと郡上会の小林謙一さんからもおすすめを頂くお店でしたが、
これまで機会を逸していたため、今日はとても楽しみにしてやって来ました。

畑の野菜も山の恵みも、季節毎に変わっていくものだから

スタッフ皆で石徹白の食材を使ったメニューを考えるランチ(1,000円)

デザートはかぼちゃのシフォンケーキ!お好きなドリンクが選べますよ

くくりひめカフェは、地域の公民館の1Fを借りてお店をやっています。
待つこと暫し、思っていた以上に彩りのあるランチが運ばれてきました。
主菜と副菜、温菜と冷菜、栄養素や味付けのバランスが、しっかりと考えられていますね。
後で聞いたところによると、この日は地元の団体客さんの予約があったため、
例えば山菜を減らし鶏肉を加えるなど、いつもと違う内容だったのだとか。
昭和30年前後のいわゆる昭和の大合併まで、石徹白は福井県大野郡石徹白村でしたが、
岐阜県側の旧白鳥町と越県合併し、平成の大合併では郡上市(平成16年)になります。
岐阜県となった今でも日本海側の食文化は色濃く残り、
石徹白ならではの食が各家庭で受け継がれています。
食後のデザートを頂きながらスタッフの方々と話をしていると、
話題はくくりひめカフェの食材になりました。
「地元で採れるものを使った料理を出す、
だから時季によって(食材は)どんどん変わります」と語るスタッフの一人。
くくりひめカフェを立ち上げたことで、材料は仕入れるばかりではなく、
春の山菜から秋は銀杏やなめこの収穫、冬の漬物作りなどを自分たちでやるようになったとも。
食材に関する知識と経験が、
メニューを組み立てるバックグランドにつながっているのではないでしょうか。

石徹白の食文化を残し伝える

農園サユールイトシロの稲倉さん提供「センナリホオズキ」を使ったスイーツも

営業を始めて2年目に入ったくくりひめカフェですが、
初めから月3回のカフェを営業していたわけではありません。
10人ほどのスタッフそれぞれが、本業に子育てに忙しい日々を送る中で、
無理せず少しずつ力を合わせ、今の営業スタイルに落ち着きました。
慣れてきたとは言え、メニューの組み立てに頭を悩ますのは毎度のこと。
ただこの悩みは、前回と違うものを作ろうとする向上心の裏返し。
別のスタッフは、「食べられれば何でもいいとは考えていませんから、
ここでしか食べられないと驚く声が聞こえる料理を出せたら嬉しいです」と話します。
デザートを食べ終わる前、【郡上市特集】無肥料無農薬栽培のおいしい野菜がたくさん!
「農園サユールイトシロ」
に登場した稲倉さんが、
センナリホオズキと野菜をお土産にと持ってきてくれました。
そして、おまけにセンナリホオズキを使ったスイーツまで登場。
スローフードという表現が適切かどうか分かりませんが、
食事も会話も、のんびり田舎時間のランチでした。

ここが、消えつつあった伝統食、郷土料理を残す良い場だよねと語る久保田さん

編集員のココがオススメ!

今は集落の生き残りを模索する石徹白。その一つ、NPO法人やすらぎの里いとしろが手掛ける水車型水力発電装置の電力供給を受ける農産物加工所では、石徹白の野菜から新たな商品開発が始まっています。食材もエネルギーも地域内で自給自足できる日は、ひょっとするとそう遠くないのかもしれません。

(小穴久仁)

店舗情報

店舗名 くくりひめカフェ
住所 岐阜県郡上市白鳥町石徹白36-51-1(石徹白農村センター)
営業時間 10:00〜15:00
営業日 毎月1日,10日,20日
※月によって変更する場合があります
URL 石徹白ニュース
E-mail kukuri@itoshiro.net

2011年11月10日現在の情報になります。

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