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300年余の歴史を持つ日用品「蘭桧笠生産協同組合(笠の家)」
2010.08.27 更新

前組合長の志水さんが、笠作りについて詳しく教えてくださいました

妻籠宿から国道256号をさらに登って行き、少し開けた所にある大きな古民家には
「ひのき笠の家」と書かれた看板、ここが蘭(あららぎ)桧笠生産協同組合の建物です。
出迎えてくれたのは前組合長の志水洋一さん。
中は珍しくなった土間の造りで、桧笠など商品がたくさん陳列されています。
奥の座敷へ通して頂き、志水さんからお話を伺うことになりました。

(左)長野県の伝統工芸品「蘭桧笠」を販売する「笠の家」
(右)店内には木曽ヒノキで作られた様々な商品が並んでいます

毎日使われてこその実用品

江戸時代前期の1662年、飛騨高山周辺の職人さんが、この地へ桧笠作りの技法を伝えたと言われています。
以来、300年余りの伝統を守ってきた蘭桧笠は、昭和57年に長野県の伝統的工芸品に指定されました。
元々この笠は、日々の野良仕事だけでなく、登山者(近くには霊峰御岳山)や
川下りの船頭さんがかぶるなど、実用的な使われ方をしてきました。
最近は、観光客向けの販売や修学旅行の体験学習に加え、
祭りで採用されるような大口注文もあるとのことです。
志水さんに促され、店頭に並ぶ蘭桧笠をかぶってみました。
う〜ん、かぶるとすぐ頭の形に馴染む構造と、予想以上の軽さに驚き!
店へ隣接する加工場に行くまで、お借りしたままとなりました。

被ってみると、これがなんとも快適!

蘭桧笠の良さ、それは

「ひで」の加工の様子を見学させていただきました

加工場内に展示されている、各種の笠と笠作りの手順

笠作りの工程は次の通り。まずは、桧の丸太を機械で薄くスライス、
ちょうど大根を桂剥きにする要領です。
続いてスライスされた桧は細く切り揃えられ、
細長い短冊状の「ひで」と呼ばれる部材に加工されます。ここまでが加工場で済まされる作業。
この後、20人強の組合員さんの家へ「ひで」が届けられ、補強を入れながら円錐形に編んで、
蘭桧笠が出来上がってきます。この作業は、「基本的に内職でするものなんです」と志水さん。
例えば農作業のかたわら、現金収入を得る生活の助けなのだそうです。
さらに蘭桧笠の素晴らしい点を教えてくれました。
「日差しが強い時はひでが収縮し隙間から風を通し、
雨の時はひでが膨張して頭が濡れることを防いでくれる」と、
なるほど!屋外作業で必要となる機能性をしっかり備えているのですね。

編集員のココがオススメ!

加工場から店へ戻り、改めて店内を見渡すと、笠や靴の中敷きほか、様々な桧の加工品があります。しかしどうしても気になるのは、蘭桧笠の快適なかぶり心地・・・小穴と倉田は各々いくつか手に取ってかぶり、志水さんのアドバイスを頂きながらしばし品定め、両者とも気に入った笠を見つけ購入しました。
今年も御嶽山をはじめ登山をしている小穴は、早速、この傘を登山の友として愛用していますよ。

(小穴久仁・倉田和己)

店舗情報

住所 南木曽町吾妻3321-1
TEL/FAX TEL:0264-58-2727
FAX:0264-58-2664
営業時間 9:00〜17:00
定休日 毎週水曜日(12/1〜3/31まで休業)

2010年4月15日現在の情報になります。

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